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悪魔は誰だ

2013年作品、チョン・グンソプ監督、オム・ジョンファキム・サンギョン出演。

15年前の1997年、夏、韓国の安養(アニャン)。 母・ユン・ハギョン(オム・ジョンファ)は幼い娘・ソジン(キム・スンギョン)を誘拐されてしまう。 安養警察署のオ・チョンホ刑事(キム・サンギョン)らは事件解決のために奔走しますが、ソジンは亡くなり、犯人は捕まらないままだった。
…15年後。誘拐事件の公訴時効が来週成立してしまう。
それにあたりチャ刑事(ション・ヘギョン
)とともに遺族ハギョンの元へ向かったチョンホ刑事は、やりきれない思いでいっぱいだった。 淡々と公訴時効について読み上げるチャ刑事に 「15年で犯人は本当に悔いあらためたのか」 「私の思いは、娘の思いはどうなるの?」 とハギョンは訴える。
ハギョンは 「こんな終わり方に納得できない」 と叫ぶ。 それはチョンホ刑事も同じ思いだった。 遺体発見現場を再訪したチョンホ刑事は、そこに手向けられた花と、まだ新しいタイヤ痕を見つける。 7月14日、公訴時効まであと5日。
時効成立までに出来る限りのことをしたいと考えるチョンホ刑事は、新たに出て来た手がかりを必死で探りはじめる。 道路の監視カメラ映像を見たチョンホ刑事は、犯人らしき映像が深夜に花を手向ける姿を入手することができ、道路の反対車両に映った車をたどり、車載カメラを見せてもらった。
チョンホ刑事は、犯人の乗った車の車種がカーニバルで、ナンバーは7655と突き止めまることに成功する。 さらにタイヤ痕から、右側のタイヤは最近1カ月以内に交換されたばかりだと知り、これらを元にチョンホ刑事は中古車市場をめぐるのだった。車を売っただろうとあたりをつけた。
何度も車載カメラの映像を見たチョンホ刑事は、車のボンネットに貼られたシールが「江原(カンウォン)市場商人会」 のものと突きとめるが、この時点で時効成立まで、あと9時間になっていた。 タイヤ痕も一致して車から去る男を追跡したチョンホ刑事だったが、料理屋で追いつめたところで逃げられてしまう。
そして、車両は別の廃車のナンバープレートにすりかえられていた。 あともう少しで追いつめられたのに…というところで時効が成立してしまう。 事件の責任を感じたチョンホ刑事は、刑事を辞め、資料を屋上で焼き捨てようとすると、途中で雨が降って来たので資料はしまいこんでしまった。 そしてその時、チョンホ刑事の携帯電話に、母・ハギョンからメッセージが入っていたが、チョンホ刑事は無視してしまうのだった。
そして現在、時を同じくしてまた誘拐事件が起きるのだった…

原題は 「MONTAGE=モンタージュ」 というんですが、これは邦題の付け方が実に上手い。 ちょっと見、15年前の事件が起き、手口から同一犯の仕業という視点でこの後展開していきます。
監督はチョン・グンソプ、初めて作品を見る監督ですね。 脚本も手掛けていますが、これが実に上手い。 また主人公は、刑事役のキム・サンギョンと母親役のオム・ジョンファですね。ダブル主役と言っても良いくらい、二人の行動が良い具合で絡み合って行きます。
営利誘拐というのは、金に困ってやること、日本では成功する確率は大変低いと言われていますし、だから誘拐された児童が無事帰ってくる確率も低いんでしょうね。せっぱつまって子供を殺してしまう、なんとも言いようのない怒りと、悲しみの犯罪ですね。
今作も誘拐された娘ソジンは、帰らぬ人となりました。 母親の犯人逮捕に対する執念は凄まじいんですが、だからと言って狂気に走るわけではないんですね。 逆に冷静に突き止めていくのが怖くなるほどでした。
オム・ジュンファが演じていますが、なかなかの熱演でしたし、あまりの境遇に同情してしまうほどですね。
ラストの決着の付け方がまたある意味究極のしっぺ返しであり、本当の悪魔は誰なのか、深く考えさせられるお話でした。

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娘を亡くしたハギョン

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彼女は必死に犯人を追う

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時効が迫る中

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最後の望みを掛け、手がかりを追うと

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犯人らしきモンタージュ

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そして新たに起こった誘拐事件

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