anttiorbの映画、映像の世界

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読書する女

1988年作品、ミシェル・ドヴィル監督、ミュウ=ミュウ主演。

大の読書好きのコンスタンス(ミュウ・ミュウ)は、空想の世界に入って小説のイメージを作り出すのが得意で、今日も 『読書する女』 という本を読んで、自分と同じように好奇心の強そうな本の朗読を職業とする女王人公マリー(ミュウ・ミュウ=二役)の世界にのめり込んでゆく。 それを聞くのは夫のジーン(クリスチャン・リュッシュ)だった。
マリーは半身不随のまま思春期を迎えつつあるエリック(レジス・ロワイエ)という青年に、モーパッサンの官能的な小説を読んであげる。 しかし刺激が強すぎたのか、彼は興奮して意識を失っていまい、母親が取り乱してしまう。
また、トルストイ の 『戦争 と平和』 が好きな自称100歳というデュメニル将軍の未亡人(マリア・カザレス)に所に行くのだが、彼女はどう見てもそんな歳には見えず、ピンピンしているし、彼女の女中で下着の中に蜘株を飼っているという変な女性ベラ(マリアンヌ・ドニクール)とはだんだん仲良くなっていく。
離婚して一年以上たつ中年社長(パトリック・シェネ)のために、マリーはデュラスの『愛人』 を読んでやるが、彼はマリーの朗読をうわの空で聞いている。 高圧的だったり、無関心だったり、そしてどうやら彼の目的は彼女の肉体にあるらしいことがわかり、彼女はそれならばと思う。
マリーは彼に誘われるままベッドに入るが本は手放さず、終始事のりードをとる。
また、6歳の少女コラリー(シャルロッ ト・ファルラン)は 『不思議の国のアリス』 から抜け出たようないたずらっ子で、マリーは彼女の欲するまま遊園地に連れて行くが、コラリーの首には彼女の母親(クロティルド・ベーセ)の高価なネックレスがぶらさがっており、そのためマリーは誘拐犯と間違えられてしまう。
マリーの世界と、コンスタンスはどんどん一体化していくのだった…

“朗読” という事が書かれた本を、ベッドで夫に朗読しているということから始まる、朗読者自身が二役で本の中の主人公を演じている、ちょっとどこからが本の世界で、どこが現実なのかの協会が途中でわからなくなる作品です。
監督はミシェル・ドヴィル、初鑑賞みたいです。 主役はミュウ=ミュウ、主役で彼女を見るのは初めてですが、近作では「タイピスト!」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11099895.html に出演していますね。
物語は、彼女の読んでいる本の主役に、彼女自身がなっています。 コンスタンスとマリーという二人の人格がどんどん混同されていく作りになっています。 マリーは、いろんなところに朗読に行くんですが、そこで様々なお客?に出会うんですね。 そしてどんどん彼らに干渉していきま し、SEXのお相手も、子守りも、カウンセラーもしてしまいます。
まあ読書というのは、物語の主人公に読んでいる自身が入り込んで同化してしまうもんですが、それがアクション劇の主役ではなく、朗読をする女性というところがなかなか変わった趣向でしたね。
旅から帰って来たようなラストに感じました。

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コンスタンスはある本を読んでいる

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その主人公のマリー

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エリックに読み書かせるときに

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社長にも

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一体化するふたり

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