パリの旧市街マレ地区。 疎遠だった父を亡くしたマティアス・ゴールド（ケヴィン・クライン）は、相続した遺産のアパルトマンを調べるためにニューヨークからやって来る。 離婚3回、子どもはなく、持ち家を処分して借金だけが残った彼にとって、負け犬人生をリセットするチャンスだった。
家に入ろうとすると入れ違いで出てきた男がいた。 庭が広く、部屋数が多く、けっこうクラシックな良い作りのアパルトマンは高く売れそうだと期待するが、誰もいないはずのそこには、英国生まれの老婦人マティルド・ジラール（マギー・スミス）が住んでいた。
なぜ彼女が個々にいるのか？ 彼は、驚くべき現実を知らされる。 フランス伝統の不動産売買制度 “ヴィアジェ”と いうものがあり、元の所有者であるマティルドが亡くなるまで売却できない上、毎月2,400ユーロを年金のように支払い続けなければならないということだった。
頭を抱えるマテ ィアスだったが、ニューヨークに帰る金もなく、マティルドから部屋を借りることに。そして家賃を彼女に支払わねばならず、まずはといって腕時計を取られてしまうのだった。
さらに、夜には、帰宅したマティルドの娘クロエ（クリスティン・スコット・トーマス）から、月末までにお金を支払わなければ不法侵入で訴えると逆に脅される始末。 持ち金もほとんどないマティアスは、隙を見て家具を売り、小銭を稼ぎ、さらには近くの不動産屋・ルフェーブル（ドミニク・ピノン）に、ヴィアジュ月の家を売りたいと話をもって行くが、その条件が付くとなかなか買い手はつかないと言われてしまう。
しかし、アパルトマン売却の機会を虎視眈々 と狙うマティアスは、売れそうな家具を探している最中、父親とマティルドが一緒に写った写真を発見する。 そして亡き父と、ジラールの関係を彼女に聞くのだった…
そして９２歳の老婆役で、マギー・スミス。 もう彼女も８２歳になるんですね。 「ハリー・ポッター」 シリーズのマクゴナガル先生の印象が非常に強いんですが多くの他作品にも出ていて、「カルテット! 人生のオペラハウス」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9191315.html に出演、主役でしたね。
そして娘役で、クリスティン・スコット・トーマス。 実は最近立て続けに彼女の出演作品を見ていて、こういうめぐりあわせってあるんですね。
物語は、決して好きでなかった父と、この老夫人との関係を知り、そして幼いころの思い出がだんだん蘇っていくマティアスと、さらにお互い知ってしまうつらい過去を通して、だんだん３人に絆が芽生えていくお話です。
収まるところに収まるという感じですが、エンドロールが始まっても油断してはいけない、今はやりの手法があってちょっと危なかった（＾＾）
ベテランたちのしっかりした演技が見れる作品でした（Ｇ）
