会社をリストラされ一人暮らしのフリーター、中津（東出昌大）。 ここはどこにでもある地方都市の堂堂市というところだが、夜の治安は悪い。 今はコンビニエンスストアでアルバイトをしている中津は、店まで行くのにも、ちょっと危険な地域を通らなければならない。
うだつの上がらない彼は、コンビニでも、座り込んで酒を飲んでいる中年たち、コピー機で遊んでいる高校生、そして携帯で騒ぎ化粧品をいじくっている女たちを注意できない。 しかしちょっと気の弱そうな、赤い帽子の男（窪田正孝）にだけは立ち読みは止めてくれという、屁たれな男だった。
しかしそんな赤い帽子の男は、街の不良を見ると、とっさに撃退してしまうのだった。彼は土志田というのだったが、実はその特技を生かして、下着泥棒をしているというオタクだった。
そんな土信田に中津は仲間になって、街の浄化をしようと言う。 初めはやる気も無かった土信田だったが、夜だけと誘われ、二人で不良たちに挑むが全く弱い中津が足を引っ張り劣勢になった時、サラリーマンの日下（片岡鶴太郎）が助けに入ってくる。 彼は両手にトンカチを持ち、不良たちを倒してしまう。
さらに、母の下着を盗まれた女子高生のカオリ（小松菜奈）、も加わり、４人自警団を結成。 社会が裁ききれないような小さな悪事をはたらくものを、高いところから吊り下げ、晒し上げ始めた。
彼らは通称 “吊るし魔” と呼ばれ、初めは抵抗があったその名前だったが、４人はそれを受け入れ、４人の行為は次第に市民から支持を集めていくのだった。 ユニフォームを揃え、カオリの卓越した情報収集力で、どんどん吊るされるターゲットを吊るしていく４人。
そこで日下は自警団の拡大に伴いホームレスの宇野（船越栄一郎）を、ほかのメンバーに紹介をする。 彼を社長にして会社にしないかと提案をするのだった。
しかし町には連続殺人事件も起こっていた。 ４人から拡大した自警団はどうなっていくのか？…
まあ一言で言えば、日本版 「キック・アス」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/6438038.html ですね。 デイブが中津で、ミンディが土信田かな？ 小松菜奈扮するカオリはちょっと独特な存在でしたが。
監督は豊島圭介、彼の作品は、「怪談新耳袋ノブヒロさん」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13876123.html や、「幽霊ＶＳ宇宙人」シリーズ http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13131875.html など、傾向が強い作品を多く撮っていますね。
ただ近年は、落ち着いた？ 作品も結構あるんで、そちらも観てみたい。
物語は、謎の連続殺人犯、そしてちょっと怪しいホームレス社長の登場で、急激に４人の環境が変わっていきますし、１枚岩だった４人にも亀裂が入っていくんですね。ここが悲しいところ。
ただ、こういう世界はどの地方都市にもある現象なんでしょうね。 最悪の悪というでもない小悪渦巻く環境、しかし見てみぬふりをするとどんどん嫌な方向になっていく。 キック・アスもそこに立ちあがったデイブでしたが。
ちょっと安易であり得ない展開なんですが、主要人物のキャスティングはなかなかで、コッテリ見れた作品でした。
一人町を浄化していた土信田
日下も加わり
謎のホームレス
