モヒカンスタイルの売れないバンドマン・永吉（松田龍平）は、バンド活動も転機を迎えていた。 仲間もそろそろ定職に着こうか迷っている感じがしていて、彼自身も恋人の由佳（前田敦子）との間にある事件が起きていたのだった。
そして、由佳を連れて久しぶりに故郷である広島県の瀬戸内海に浮かぶ、戸鼻島へ7年ぶりに帰ることにした。
行きの船で悪酔いをする由佳、何とかついた久しぶりの戸鼻島、島民は気さくに挨拶をしてくれる。 家に帰ってみると、なぜか同じように家を出ていた弟の浩二（千葉雄大）が一人で飯を食っていた。
浩二はいきなり現れた兄と女性に驚き、母・春子（もたいまさこ）を呼ぶが、そのときたまたま帰ってきた父・治（柄本明）は、吹奏楽部の演奏の後、しこたま飲んでしまい泥酔状態、挙句の果てには玄関で戻してしまうありさまだった。
しばらくして永吉は、広島県出身のミュージシャン・矢沢永吉を心から愛する父と、広島カープファンの母に対して、由佳が妊娠したこと、そのため結婚しようと思うと報告をするのだった。 しかし、そのいかにも煮え切らない態度の永吉に、治は怒りを爆発させ、いつもの親子喧嘩が勃発。 しかし、心の内では結婚を喜んでいた治は、いきなり親類縁者を呼び大宴会を始めるのだった。
しかしその夜、治が倒れてしまう。 病院に担ぎ込まれる治に、島の医者（木場勝己）は家族を別室に連れて行き、末期の肺がんで、骨髄に転移をしていると告知するのだった。
病室に戻ってくる家族だったが、早くも泣き出してしまう弟と母。 「自分は癌か？」 と永吉に聞く治に、正直に首を縦に振る永吉だった。
本来ならすぐに東京に帰るはずだった永吉の里帰り、ここ島にしばらく居るとこになってしまう・・・
沖田監督の最新作、前作の 「滝を見にいく」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12947380.html から２年経っての新作でした。
今作は、主演に松田隆平、父に柄本明、母にもたいまさこ、そして恋人役に前田敦子という布陣で、家族ドラマのコメディ作品に仕上げていましたね。 小さいころから地元の中学校で、吹奏楽部で父に永ちゃんの曲を教えられていた永吉、だから名前も永吉なんですね。
その思いをしっかり刻んで東京でびっぎになろうと上京したのは良いですが世間はそんなに甘くないし、わかる一握りの客しかいない売れないロックバンドをやっているんですね。
そしてそんな彼に何か彼のことが本能的似合う恋人がいるんですね。 前田敦子は、やはりこういうちょっと本能で動く女性役がだんだんはまり役だと認識されてきてますね。
末期の肺がんなんですが、そのために永吉なりに親孝行をしようとこの後奮闘を始めますし、治は治で、吹奏楽部に対して病院の沖上からでもコーチを始めるんですね。 似た者親子なんですが、なんかその不器用さが実に良い。
そしてだんだん母・春子と由佳も仲良くなっていきます。 この家族に嫁姑問題は皆無ですね。
父の最後の願いをかなえるため、この後さらに永吉たちは気張るんですが、なかなかここもドタバタ劇あり、ちょっと泣きのシーンあり、ほんわかした良いお話でした。
７年ぶりの帰郷
