anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

怪談新耳袋 ノブヒロさん

2006年作品、豊島圭介監督、内山理名主演。

デザイン会社に勤務するシングルマザーの里中悦子(内山理名)は、幼いころに、飛び降り自殺を目撃した。 しかしある男に見てはいけないと近づくのを止められた経験があった。
ある日仕事で画家の島崎ノブヒロ(平田満)のアトリエを訪問する。 そこには奇妙な絵があった。 それは崖の途中に宙吊りになった男の画と、男と女が崖から飛び降りている絵だった。 この不気味な絵の事を聞くと、それはノブヒロの曾祖父を描いた絵で、実際崖から飛び降りて心中をしたのだが、男は途中で気に引っ掛かりその状態で死に至ったという痛ましい事件だった。
ちょっと怖い話を聞いて悦子が帰ろうとした時、ノブヒロは悦子のことを昔から知っているかのような態度を取り、自分のことを 「ノブヒロさんと呼んで欲しい」と言う。
そして、彼女をモデルに絵を描きたいと言い出す。
戸惑いながらも承諾する悦子。 そして彼女は、ノブヒロのアトリエに通う日々の中で、一度彼の母(佐々木すみ江)と会った時、ものすごい形相で罵声を浴びたことがあった。 そこは彼の兄(でんでん)も割って入り、母はこういうところがあるととりなすのだったが。
そして、二人は親しくなっていった。 しかしある日、外で一緒に食事をすることになり、悦子の一人娘・彩香(岩本千波)を連れて行った。 しかし彩香がノブヒロに異常なまでに怯えるのだった。
そんな別の日、ノブヒロは連日でアトリエに来てほしいと言いだした。 しかし明日は仕事があり、来れないと言うと、彼は遅くなっても良いのでどうしても来てほしいと言い出す。 仕方がなく、悦子は遅くなるかもしれないと言い、とりあえず顔を出すことを了承する。
しかし、その日、彩香が高熱を出して病院に運ばれたのだった。 会社に携帯を置きっぱなしで駆けつけた悦子、必死の看病の末なんとか熱が下がった彩香、家に戻ってひと段落ついた時に玄関のチャイムが鳴る。
誰もいないのだが、何か水滴が続いているのを見つける。 それに沿って駐車場まで行くと、そこに俯きかげんのノブヒロがいたのだった。 必死に事情を説明する悦子だが、それを見ていた悦子の母の和歌子(田島玲子)は、そこには悦子しか見えないのだった。
そして、うなされた翌日、悦子はノブヒロが謎の死を遂げたことを警察から聞かされる・・・

劇場版3作目、、そして長編2作目のこの作品、心霊物というコンセプトは変わりませんが、男の執念というか、妄執を描いた作品となりました。
物語は、母と幼い娘との3人暮らしの内山理名演じる悦子が、たまたま行った画家のところで出会う奇怪な事件でした。 年齢はもう中年期の男、平田満演じる島崎ノブヒロは、暗い感じの独身男なんで すね。
そして男は母と兄と生活をしているようですが、彼は半分アトリエでの生活をしているようです。 そしてこの後、ノブヒロの友人で、精神科医・藤村明彦、高橋和也が演じていますが、彼の登場で、ノブヒロが精神を病んでいたことが明かされます。
娘として岩本千波演じる彩香が、実は必死に母を守っている姿が健気なんですね。ホラーの定石通り、バッドエンドなんですが、この娘を中心に見ると、ちょっと結末に憤りを感じるんですね。 男の妄執が何とも歯切れが悪い。
監督は豊島圭介、私は監督作品はこのシリーズ以外も短編しか見たことがありません。 代表作は 「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」 「花宵道中」 とか。 機会あればと思います。

イメージ 1
仕事で行った先にいたノブヒロ

イメージ 2
そして絵のモデルを頼まれる

イメージ 3
シングルマザーの悦子

イメージ 4
しかしノブヒロは・・・

イメージ 5