ローラが転校してきた。 彼女の席が隣になったクレールは、早くも仲良くなった。 二人はどこに行くにも一緒、ローラの別荘に行って、二人はいっぱい遊ぶ、ブランコにローラが乗れば、クレールが後ろから押してくれる。 長い髪のローラの髪をとかすクレール。
成長した二人は、お酒を飲める年になる。 そこでローラ（イジルド・ル・ベスコ）は、ダヴィッド（ロマン・デュリス） と出会う。 二人は恋に落ち、結婚する。 一方クレール（アナイス・ドゥムースティエ）もジル（ラファエル・ペルソナス）という恋人ができる。そして二人も結婚をする。 お互いの結婚式を祝福する親友だった。
しかし、ローラは出産後、病気になり、あっという間にこの世を去ってしまった。 クレールは彼の葬儀の時、残された娘とダヴィッドを見守ると約束をする。
傷心のクレールはしばらく会社を休み、塞いでいたが、ある日ジョギングがてら、ダヴィッドの家によってみた。 しかし呼んでも出てこない、鍵が空いていたので入ってみると、見知らぬ女が娘をあやしていた。
なんとそれは女装したダヴィッドだった。
驚くクレール、しかしこのことは死んだローラも知っていたと言い、彼女が亡くなってから、娘をあやすためにまた始めたというのだった。 衝撃を受けるクレールだが、落ち込んだダヴィッドのこともあるので、このことは誰にも言わないことと、その姿で外には出ないという彼のことを信じて、その日は彼女は帰るのだった。
しかし、翌日ダヴィッドがローラの携帯から電話をしてきた。 また家に来て欲しいというのだった。 気が進まなかったが、もう一回彼の家に行くと、彼はこの女装の姿で外に出たいと言い始める。 しかし不気味なものを感じる彼女は、怒って家に帰ってしまう。
その晩ジルが帰ってくると、彼は落ち込んでいるだろうと思って、なんとダヴィッドを招待したというのだった。 しかし彼女は一連の話をジルにできない。 どんどん拗れて３人だった・・・
ミステリーなのか、コメディなのか、フランソワ・オゾン監督の最新作は、ちょっと面白い視点の作品でした。
ゲイと女装家はちょっと違うんですね。 ダヴィッドはちゃんと女性を好むんですね。でも、女性に憧れ、美しくなりたいという願望が強いんです。 そしてそれがどんどん女性になりたいという欲求に変わってきます。
そしてクレールにもあるちょっとした自分にもわからない気持ちが潜んでいるんですね。 複雑で、微妙な性癖？ が入り組んでいく、監督ならではの妙が生きている作品でした。
2作前の 「危険なプロット」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11264103.html も、なかなか不思議な作品でしたが、今作もまた展開の読めない空気感がなんとも（＾＾）
でも、ロマン・デュリスの女装姿は、美しさというより、迫力がありましたね。 「タイピスト！」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11099895.html とはまた違った、画期的な役でした。（G）
