anttiorbの映画、映像の世界

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アリスのままで

2014作品、リチャード・グラツァー、ウォッシュ・ウエストモアランド監督、ジュリアン・ムーア主演。

ニューヨークのコロンビア大学で教鞭をふるう50歳の言語学者アリス(ジュリアン・ムーア)は、キャリアを積み学生たちから慕われる一方、家族にも恵まれ、まさに円熟期を迎えていた。
夫のジョン(アレック・ボールドウィン)は医師で、夫婦仲も悪くない。 長女のアナ(ケイト・ボスワース)は夫のチャーリー(シェーン・マクレー)との間に子供がなかなかできないので、不妊治療を受けるつもり。
次男のトム (ハンター・パリッシュ)はなかなか相手が決まらないし、恋人と言って会わせる相手が毎回違う。
しかしアリスの一番の心配は、大学に行く進路を取らず、演劇の道を目指している次女のリディア(クリステン・スチュワート)だった。
彼女はリディアに会うたびに、大学に行き、もしものために教職の道筋を付けさせたいと思っていることを彼女に言うが、リディアは今の生活に満足をしていて、進路を変える気はない。 喧嘩にならないうちに二人は矛を収めるのだった。
アリスはちょっと気になることがあった。 近頃物忘れがちょっと気になることだった。講義の時も、ちゃんとした言葉が出てこないことがあるのだった。 そして、ジョギングをして、大学内を走っているときに、なんと 迷子になってしまう。 自分の通っている校内なのに。
そして彼女は、思い切って医師の診断を受ける。 簡単なテストを難なくこなす彼女だったが、最後のところでちょっと躓いた。 そしてその日はMRIの検査を受け、次来るときは家族と一緒に来るように言われるのだった。
クリスマスパーティーの時に、家族が全員集まった。 その時、彼女はトムの恋人の名前をすぐに忘れてしまうのだった。 その瞬間をしっかり見ていたのはリディアだけだった。
そして次に医師との面談の時、彼女はまたも一人で行ってしまう。 MRI検査では異常なしだったが、PET診断も受けてほしいと言われる。 そして次こそは家族と一緒に来るよう強く言われる。 それは若年性アルツハイマーの疑いがあるからだった。彼女に衝撃が走った瞬間だった…

アカデミー主演女優賞をジュリアン・ムーアが取ったこの作品、やっと日本公開になりました。
聡明な大学教師の女性が、50歳で若年性アルツハイマー病を発症する話です。 事前に評論家の評価では、意外にあっさり描いているということを聞いていましたが、結構生々しい苦しみも多少描かれていましたね。
具体的な治療薬の無いこの病気、症状を緩和するだけで、どんどん進行して行きますし、若い時の発症はその進行も早いそうです。 脳細胞の記憶をつかさどる部分の細胞がどんどん死滅していくということらしいですが、特に人に教える立場の彼女にはどれほどの苦しみ、絶望感なんでしょうね。
始めは自分一人で抱えていましたが 、まずは夫に、そして家族に、さらに授業にも影響が現れ学校にも知れて行きます。
しかし彼女はまだ症状が進む前に、最後の力でスピーチをします。 ここは感動のシーンでした。 黄色のマーカーで、自分が今原稿のどこを読んでいるかをチェックしながら、必死な姿は涙を誘うと同時に、彼女の最後の輝きが素晴らしいんですが、そのあと彼女は急速に衰えて行きます。
劇中 「癌の方が良かった」 というセリフがあるんですね。 彼女の立場ならではの言葉です。
この病気は遺伝で伝わっていくということです。 恐いというか辛い病気だということが伝わってくる作品でした。

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順調に行っていた家族

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夫婦仲もいい

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次女のリディア

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しかし病気が発覚、彼女のスピーチの時

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病状が進行する母を気遣う次女

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