anttiorbの映画、映像の世界

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華氏451


慌ただしく出動する消防隊員。 ある男のところへ電話がかかってくる。 女の声で、早く逃げてという知らせだった。 男はかじっていたリングを持ち、上着をひっかけて走り出て行った。
消防隊員が到着した。 出て言った男の家に入り、今まで男がいた痕跡を見つける。 蛍光灯の上から本を見つける。 テレビに似せた箱から奥から本が見つかった。 家のあらゆるところに本が隠してあった。 それをまとめ部屋から出し、直ぐに焼却を開始する。 付近の住民が出てきたが、誰も何も言わない。
これは未来の国の物語である。 すべてが機械化されたこの時代は、あらゆる知識や情報はすべてテレビによって伝達され、人々はそのとおりに考え、行動していれば平和な生活ができるのである。 そこでは読書は禁止されており、反社会的という理由で、本はみつけ次第、消防士たちによって焼きすてられた。 モンターグ(O・ヴェルナー)はその消防士の一人でる。
彼は上司の消防隊長(シリル・キューザック)に気に入られている。 そして近々昇進を打診されていた。
ある日彼は妻のリンダ(J・クリスティ)にうりふたつの若い女クラリス(J・クリスティ・二役)と知り合う。
彼女は生き生きしていた。 彼女は本を読んでいるとモンターグに言う。 ちかぢか没収されてしまうというが、何か彼女の表情が気になった。
テレビのままに動く無気力な妻のリンダ、彼女はテレビのことしか頭にない。 テレビに出るオファーがあったことに喜んでいるが、ただ質問に答えるだけの本当に出ているのか不明な役だった。 彼女は絶えず薬を飲んでいる。
ある日帰ると彼女が意識不明となっていた。 すぐに救急隊員が来たが、医師は来なかった。 血液を入れ替えるのが治療だった。 一晩寝ると治るというのだ。
その通り一晩寝ると彼女はスッキリしていたし、空腹だといって朝から食べていた。 昨日のことは覚えていないらしい。 彼はこの空虚な生活に何か違和感を感じ始めていた。
またクラリスに会った。 彼女は本を読んだことは?と聞いてきた。
その日彼は何かを戸棚に帰って来るなり隠した。 それは1冊の本だった。 そして彼は初めて1冊の本を読んだのだった…

今から50年前の作品ですが、いろんな未来予想が入っているSF作品ですね。 本は禁止され、テレビで人間はコントロールされます。 ちょっと前に見た「図書館戦争」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9266543.html に似ていますが、こっちが本家で過激かもしれません。
そして、当時の共産主義に対するアンチテーゼにもなっています。
本を読むことは、自由な精神を養うこと、本を読まなければすべて平等、理想的な世界ができる。 隊長の意見がこの世界を物語っています。 子供もほとんど登場しなくなっていき、隔離されていきます。
この作品中で、ヒロインのジュリー・クリスティは二役をこなしています。わざとだと思いますが、妻のリンダの時は、洗脳され切って、ロボットのよう、クラリスは自由の持ち主で、最後に大きな役割を果たします。
本が禁止された世界というのはどんな世界なんでしょう。 でも本離れ、活字離れが進んでいる今の人間、なんとなく方向はこの映画の描く世界に近づいているのかもしれません。

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出動する隊員たち

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隊員が踏み込んだ家で見つかった本

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そして焼却処分される

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モンターグとリンダの夫婦

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本とともに炎の中に消える女

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別の世界はあるのか?

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