anttiorbの映画、映像の世界

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何がジェーンに起ったか?

 
1917年、ジェーン・ハドスン(ベティ・デイヴィス)は6歳の時から名子役として、その芸達者をうたわれ、ベビー・ジェーンの芸名で稼ぎまくっていた。 今日も劇場には大きく “ベビー・ジェーン出演中” という大きな看板が出ていた。 皆彼女目当てで見に来ているのだった。
彼女は天才的な歌と踊りができていた。 彼女の十八番の歌は、「パパに手紙を」 だった。 今日も会場からのリクエストで最後に歌うのだ。 父がピアノを弾き、そして最後はジェーンの人形の宣伝をして売りつけるのが定番だった。
親はそんな彼女を甘やかしていた。 両親は絶えず付き添っていたし、姉のブランチも一緒だった。 ブランチは天才の妹に気を使い、肩身が狭かった。 
ある日、劇場から出てきて駄々をこねる姿をファンから見られてしまった。 でもそれをどうすることもできない父がいた。 母はブランチに今にお前も有名になると優しく語りかけるのだったが、ブランチの心はだんだんと父と妹に怒りを覚えていくのだった。
1935年、映画の試写室で、プロデューサーは悪態をついていた。 ジェーン・ハドスンの演技が気に入らないようだ。 どうしてこんな映画に金をかけるのかと言いさんざん酷評している。 途中で見るのを止め、映画をお蔵入りにしてしまった。 
時代が変わり、姉妹の地位は逆転していた。 映画の時代になると、ブランチは実力派の女優としての評価を得るが、ジェーンの人気は遠い過去のものとなり、俳優としても能力が無く、素行にも問題があるとされて仕事から外されていくようになったのだ。 大スターの姉と、仕事もなく酒びたりの妹、二人の立場は入れ替わっていた。
そんなころ、嫉妬にとらわれた姉妹の間にその痛ましい事件は起きた。 殺意に満ちた自動車が相手を轢こうとして猛り、結局は狙った側も狙われた側の運命をも引き裂いてしまった。 
間一髪で難を逃れたブランチではあったが、この事件で背骨に傷を受けて歩くことが出来なくなった。 一緒に乗っていたはずのジェーンはかすり傷ひとつさえも負わなかったので、ジェーンはその責めを負うかたちで姉の面倒を見ることになった。
数年がたった。 ベイツ夫人(アンナ・リー)が家に帰ってくると、懐かしいブランチの出ている映画が放送されていた。 彼女はブランチの大ファンだった。 そう隣に住んでいるブランチ(ジョーン・クロフォード)の。
しかし会ったことは無い、今日も花を持ってプレゼントしに行くのだが、出てきたのはものすごい形相のジェーン(ベティ・デイヴィス)だった。 彼女は決して姉を誰とも会わせないのだった。
ブランチはお手伝いのエルヴァイラ・スティット(メイディー・ノーマン)しか会うことが禁じられていた。 優しいブランチの事をエルヴァイラは心配していたが、ブランチはジェーンの事を大切な妹と思っているのだった。
しかしジェーの心は病んでいたし、彼女のアル注を何とかしたいと思っていた。 そして医者に診せようとするのだが、そこからジェーンの行動がエスカレートしていくのだった…
 
ここまではのんの20分くらいで、この後延々とジェーンの異常な行動が続いて行くんですね。 どこかで見たような・・なんて思っていると、この設定は、「ミザリー」 ですね。
なんといってもベティ・デイヴィスの形相ですね。 確かに当時50代半ばですが、メイクでしょうか、ちょっと異常なジェーンを実に見事に恐ろしく演じています。 私はこれを新幹線の中で見ていたんですが、体中に悪寒が走りました(^^)
でもよく見ていると、ジェーンの異常さ以上に、ブランチの違和感を感じました。 「ミザリー」 では監禁されたポールが、たびたび命がけで脱出をしようとするんですが、この姉のブランチは、どこか妹を信頼している、また信じようと最後までするんですね。 この違和感、いらいらはやっと最後で明かされるんですね。 確かに事故のシーンのショットの撮り方は上手かったです。
また同じような飲んだくれでしょうがない男・エドウィン・フラッグ(ヴィクター・ブオノ)が何とも締まりのないマザコンぶりもまた、よけいイラつかせます。 
これは一応サスペンスですが、やっぱりホラーですよね。 心理的に結構来た強烈な作品でした。

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天才歌手だった子供の時のジェーン

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自分の人形まで作られ、売れていたが…

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時は立たち、二人の人生は変わった

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ジェーンは壊れてしまい、そして恐ろしい行動をとるようになる


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そして二人は最悪の方向に向かっていった

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