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桜田門外ノ変

2010年作品、佐藤純彌監督、大沢たかお主演。

アヘン戦争が隣国で起こり、清国は敗れ莫大な賠償金を払うことになった時代。  これから中国はどんどん食われていくのである。 そして列強は次のターゲットに日本と決めていた。
1860年安政七年)1月、水戸で水戸藩士・関鉄之介(大沢たかお)のところに文が来た。 高橋多一郎(生瀬勝久)からだった。 直ちに水戸をたてという内容だった。 身支度を整え妻子に別れを言い、江戸へと向かったのである。 分散して潜伏するよう言われ、江戸の愛人・いの(中村ゆり)のところに身を置く鉄之介だ。
遡ること7年前に浦賀に現れたのが黒船だった。 この時実際に黒船を見た鉄之介、その時水戸藩・斉昭が海防参与に任命された。 それが日本が動き出す始まりの合図だった。
このままでは日本は滅びる、強烈な使命感の元、 水戸藩の有志たちは品川に集結した。 そこには、金子孫二郎(柄本明)や野村常之介(西村雅彦)、他十数名いた。 本来は水戸から50名の同士を呼ぶ予定だったが、藩から警戒され水戸藩から17名、薩摩藩から有村次左衛門(坂東巳之助)が参加していた。 
薩摩は事を起こしたあと、京都に3000名の軍勢を出す手はずとのことだった。 桜田門襲撃、徳川幕府大老井伊直弼伊武雅刀)を討つという事、決行は3月3日とする。 責任者を関とする、これが決まったのだった。
当日は雪が降っていた。 関は手はずの確認を皆にして、配置についた。 そして、その時が来た。 
襲撃者の一人が大老の行列に直訴状を差し出す振りをして、行列に斬りかかる。 そこからは、護衛の者と、水戸脱藩浪士との激しい斬り合いとなった。 関は参加せず見届け役に徹するということだ。 壮絶な斬り合いの中、有村が大老の駕篭へ到達、井伊の首を刎ねた。 
襲撃隊は稲田重蔵(田中要次)が闘死、4人が自刃、8人が自首。 その成功を見届けた鉄之介は、京都へと向かう。 しかしまだ時は満ちていなかった。 関たちは苦しい境遇になっていったのだった・・・
 
黒船が来て、日本が騒然になった時、その時はまだ薩長の体制が整っていませんでした。 幕府は弱体化の一途をたどっていて、そこにただひとり大老井伊直弼が踏ん張っていました。
確かに豪腕の井伊ですが、時流にあった対応をしていたかどうかは疑問です。 進歩的に日本の行く末を見るというより、幕府をいかに守りながら諸外国と対応するか、そこに固執していたと史実から読み取れますね。
作品では、時間がかかりましたが、このたんこぶのような井伊直弼を、襲撃、暗殺したことから維新が始まったとされている作りになっています。 
でも、水戸藩の対応は、倒幕ではなくあくまでも脱藩していたとはいえ、天下の幕府の最高責任者を殺したことから、彼らを捕らえ始めます。 薩摩も予定通りの行動を控え、彼らは孤立していきます。 そんな悲哀の物語です。
実際の桜田門外襲撃シーンは冒頭にありますが、迫力はすごいですね。 たっぷりと見せてくれます。 しかしこれがラストではなく始まりというところが、この作品の特徴です。 それがラスト、西郷隆盛が発するセリフに象徴されていました。 
歴史大作というより、襲撃隊たちの壮絶な生き様にスポットを当てた日本を憂いた人間ドラマでした。
 
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幸せそうな関一家
 
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決起した脱藩水戸藩浪士
 
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絶大な権力を持った大老井伊直弼
 
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当日は雪が降っていた、ただその時を待つ関
 
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壮絶な切り合いが始まる

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