anttiorbの映画、映像の世界

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ゲゲゲの女房

2010年作品、鈴木卓爾監督、吹石一恵宮藤官九郎出演。
 
重い酒瓶を自転車で運ぶ娘・布枝(吹石一恵)、昭和36年。 
島根県安来に住む29歳の彼女に見合いの話が来た。 両親は行き遅れ気味の娘を今度こそはという思いで話を進めるように言う。 みんなが集まった夕食の場にぬらりひょん徳井優)もいる不思議な家だ。 
体力のある大柄な布枝は今まで重宝がられていたが、このままでは独身で終わってしまう。 そんな両親の心を感じている布枝は、境港出身で10歳年上、戦争で左腕を失い、現在は東京で漫画を描いている水木しげる宮藤官九郎)と結婚することを決める。 
慌ただしく式を挙げ、そして慌ただしく東京に向かう布枝だった。 東京で漫画を描いている、定職があるということはそこそこの暮らしと思っていた布枝だったが、これからとてつもない苦労が待っていることはまだ彼女は知らなかった・・・ 
            
NHKの連続テレビ小説の大ヒットにより、キャストを一新して映画化になったのは当然の流れですね。 私もこのテレビ小説は観ていました。 だから逆に違うキャストに抵抗がありしばらく映画版は避けていました。 
時間もたち、そろそろいいかなと思い見てみました。 
大柄な布枝役に吹石一恵、そして今を時めく(脚本家として)宮藤官九郎のコンビによるこの作品は、結構良かったです。 
もともと、水木しげるの貧乏物語ですから、ただひたすら生活苦、そして当時の貸本漫画業界の悲哀がたっぷりと描かれることになります。 この点はテレビと同じですね。 テレビでは時間的にそこから脱出してからも描けましたが、映画ではやっと少年マガジンの連載が始まるまででした。 逆にそこで終わるのが自然な感じで、ふわっとした作品に仕上がっています。
ところどころに出てくる妖怪の数々、テレビではアニメーションが入っていましたが、映画ではしっかりと役者が演じています。 暴徒のぬらりひょん、川男、小豆洗い、ほか誰がやっているのかわからない感じでちょこっと出ているのは、水木作品ならではのエッセンスですね。 
戦後から高度経済成長が始まる前の、水木家だけでなく、どの家も苦労している時代でしたから、そんな意味でもちょっと観ておいた方がいいのではと思える作品でした。 
宮藤官九郎って意外と味がありましたね。

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布枝はやっと嫁に行く

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東京の漫画家のところだった

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しかし超貧乏

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夫は戦争中片腕を失くした

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そして連載が決まった

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