anttiorbの映画、映像の世界

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明日の記憶


1人の男性(渡辺謙)が車椅子に乗りながら、無気力に一点を見つめている。 その横で妻らしき女性(樋口可南子)が名前や写真が飾ってあるボードを持って、話しかける。
佐伯雅行は都内の広告代理店に勤めるサラリーマンである。 部長というやりがいのあるポジションで、日々忙しく充実した時間を過ごしていた。 最近一人娘の梨恵(吹石一恵)妊娠がわかり、結婚することも決まり、公私共に順調なはずであった。
しかし最近、仕事で物忘れが酷くなって来た自分に気がつくようになった他、割れるような頭痛に見舞われることも増え、体調について考えるようになっている。
そんなある日、いつものように会社から帰った佐伯は、自分の部屋で本を読んでいた。 そこへ入って来た妻・枝実子は夫が読んでいる本が医学書であること、印がついたページが鬱病の箇所であることが気になる。
しかも夫が帰りがけに買ってきた男性用のシェービングクリームを見て驚いた。 ここのところ何個も買ってきては、洗面台に妻が閉まっていたのである。 妻は佐伯に「病院に行こう」 と勧めた。
病院では35歳の若い医者:吉田武宏(及川光博)が担当した。 簡単なテストの見立てでは鬱病では無く、アルツハイマーでは無いかということだった。
佐伯はまさか自分がそんな病気にかかるとは思いも寄らず、その言葉に動揺を隠せないでいる。 その日の帰り、その病気についての本を買い込み自宅で1人読んでいた。
日が空いたが、妻と精密検査を受けるため、再度病院を訪れた佐伯はMRIの結果を聞きに診察室に入った。 やはりアルツハイマー病で間違い無いと診断を受ける。
あまりのショックに取り乱しその場で医者に文句を叫び始めると、ドアを開け屋上に走り出した。 妻と医師は慌てて追いかけたが、佐伯は屋上の柵を越えている。
「患者の気持ちも無視し、診断を簡単にしているのだろう」 と悲痛の胸の内を叫ぶ佐伯に、吉田は 「自分の父親も同じ病気である。」 と言った。
そして 「今自分に出来る事をしたいから、佐伯さんにも諦めないで欲しい」 と強く懇願する。
この言葉により佐伯は治療を開始することに決め、妻はそれを支えていこうと食事や漢方など自分にも出来る事を調べて夫のために尽くすことに決める。 しかし、会社でも佐伯の態度がおかしいと噂になり始めてしまった。
15分前には来て会議に用意している佐伯だったのに、取引先との約束を忘れたり、遅刻したり。 挙げ句の果てに自分の会社のある渋谷で道に迷い、部下に電話で誘導してもらう始末。
スタッフの顔を忘れないように、名刺に似顔絵を書いて見返したりもしていた。
しかし彼は娘の結婚までは何とか乗り切ろうと必死だった・・・

私の義母もこの病気なんですよね・・・
監督は堤幸彦、「RANMARU 神の舌を持つ男」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14603281.html が近作となりますが、「TRICK」 シリーズ、「SPEC」 シリーズが有名ですね。
主演は渡辺健、国際的な俳優となりましたが、近作は 「追憶の森」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14104324.html となります。 この作品は製作総指揮なんですね。
そして樋口可南子、一番新しい映画出演作は 「愛を積むひと」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13186903.html になりますね。

物語は、バリバリの働き盛りの50ちょっと前の男性が若年性アルツハイマーにかかってしまうお話です。 仕事でも第一線、顧客にも信用され、娘の結婚も近い、人生まだまだと言う矢先でした。
疑いがあるといわれて、病気の本を買って読むと、その病気の怖さ、絶望感がよりせまってくる佐伯、治療薬もなく、進行を遅らせることしかできないこの病気、現代の難病の一つですね。
そして何よりも、周りの人が大きな打撃を受け疲弊してしまうんですよね。 妻の枝実子は失業してしまう夫に代わって働き始め、そして自宅介護をしていくと言う苛酷な道を選びます。 これは本当に強靭な精神力 と持続力が無いとやっていけません。
切実な問題に向き合った渾身作ですが、ラストの展開は、ちょっとファンタジーのように描かれていました。 ただそうでもしないとやりきれなさが残ったかもしれませんが。

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仕事をバリバリしていた佐伯

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しかしおかしいことに気づき病院に

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何とか娘の結婚までは

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そして会社も辞めることに

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そして人生は一変する

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頑張る妻の枝実子

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