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アルバート氏の人生

2011年作品、ロドリゴ・ガルシア監督、グレン・クローズ主演。
 
19世紀のアイルランド。上流階級の人々に人気のモリソンズホテルはやり手の女主人・ベーカー(ポーリン・コリンズ)が目を光らせている。 従業員の服装、態度にもチェックが厳しい。
しかしその中で、気配りができ、夫人の信頼も厚く、また同僚からも一種の尊敬をされている寡黙な者がいた。 名はアルバート・ノップス(グレン・クローズ)という。 皆からノップスと呼ばれ、常連客からも気にいられている。
従業員はみな住み込みで働いている。 ノップスの部屋は奥の部屋で、自分の部屋に戻るといつもすることがある。 お客からのチップを地道に集め床板の下の貯め込んでいるのだ。
ある日、モリソンズホテルにハンサムなペンキ屋がやって来る。 ヒューバート・ペイジ(ジャネット・マクティア)といい、仕事が1日で終わらないためベーカーは同じ男同士なので、ノップスの部屋に泊めてやってくれという。 しかし戸惑うノップス。 ソファで寝たらいいのにというが、夫人はそんなことはできないと言い半ば強引に決められてしまった。
遅くまで働いていたノップスが部屋に帰って来るとペイジはもうベッドで寝てしまっていた。 音をたてないように同じベットの右側に潜り込みノップスが寝始めた瞬間、ノップスが苦しみ始めた。 そして服を急いで脱ぎ始めた。 そう、蚤が体に入ってしまったのだ。 その物音にペイジが起きてしまった。 そして驚くペイジ、そうノップスは女性だったのだった。
「どうして?・・・」 ノップスは言う。 「こうでもしないと生きていけないから・・・」 「夫人には黙っていてほしい」懇願し、取り乱すノップスに、ペイジは別に気にしない、一緒のベッドでも良いというが、ノップスは床で寝ると言い張り、ペイジは枕とシーツを投げてよこし寝てしまった。
次の日、寝坊して遅刻するノップス。 ノップスは真剣だ。 夫人にばらされないよう必死にペイジに付きまとうが、ペイジに奥に連れて行かされ見せられたものは、なんとペイジの大きな乳房だった。 そうペイジも女性だったのだった・・・
 
ノップスとペイジの友情が物語の始めのハイライトですね。 かたくなに男として生きてきたアルバートには、決して他人には言えない過去があったのですが、唯一打ち明けたのがペイジでした。 しかしペイジは女性と結婚していたのです。 このあたりがお互いの人生に複雑さがあるんですが、物語を見ていると、二人がなぜ男として生きてきたのかが理解でき、納得する部分ですね。
私生児として生まれたアルバート、どうしようもない亭主を持っていたペイジ。 ペイジと出会い、彼女のいまの生活を知ったアルバートは小さな夢を実現しようと頑張り始めます。 しかし、しかし…。
この作品はちょっとコメディタッチのところもありますが、人生とはなんと残酷なんだと思い知らされる作品でもあります。 健気に、ひっそりと、しかも性別をも偽って生きてきたアルバート、そんな彼女に、もうちょっと幸せをあげてもいいんじゃないですか? そんな物語でした。
でもなんと長身なんでしょうかね、ジャネット・マクティアは。 動きすべてを男の動きにしていた彼女はこの作品では名演でした。 「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7986117.html で観た時は普通のちょっと病んでいる女性でしたが、ガラッと変わった魅力的?な演技でした。 でも悲しすぎる・・・(G)
 
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ペイジとの出会いがアルバートを変えていく
 
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ヘレンという存在
 
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彼女を愛してしまうアルバート
 
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そしてあるものを探し始める
 
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