anttiorbの映画、映像の世界

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アントキノイノチ〜プロローグ・天国への引越し屋〜

2011年作品、三城真一演出、原田泰造主演。

佐相博(原田泰造)は前の会社で人事部にいた。 クーパーズという遺品整理の会社の面接を受け、一番暗い感じの人だった。 しかし彼が採用された。
早速仕事に行かされた。 社長の古田(鶴見唇吾)と共に遺品整理を依頼された家に向かった。 依頼主の花田(茅島成美)は絶縁状態のまま孤独死した兄とは関わりたくないから金目のもの以外は全て処分して欲しいという。 浮気の挙句、妻子を追い出したので、実の息子からは恨まれている。 葬式だけはあげたが、そのほかの処分を叔母にお願いしてもい、タッチしたくないらしい。
佐宗は古田に 「遺品処分ですね。リストラと同じじゃないですか。」 と冷めた口調で言う。古田は淡々と仕事にかかる。古田は遺品整理は亡くなった方への配慮と言う。 孤独死したままの布団を見て耐え切れなくなり、外に出た佐相。
古田はチラシ配りをさせた。 こっそり配るよう言われ、あるマンションのポストに入れた。 小沢というポストがあった。 ここには一人の女が住んでいた。 華やかな衣装に身を包んだ瞳(佐藤江梨子)は20代にしてファッション雑誌の副編集長まで上り詰めたのだった。
しかし今は行き詰っていた。 佐相は仕事に戻ると、不用品(御供養品)と遺産に分けるように言われ、仕分けしていった。 外に出たところを、瞳から遺品整理は本人でも依頼できるのかと声をかけられた。 唐突な質問に佐相は思わず自殺を考えているのかと問い返してしまう。
仕事が終わり、お疲れさんで古田と居酒屋に行った。 アルバイト・ゆき(榮倉奈々)に話し掛けながら、古田は今日のことをいろいろ注意した。 確かに瞳の事は古田も気になっていた。佐相は前の会社でリストラの担当者だった。 その中の一人が自殺してしまったのだった。 佐相はそれが引き金となり辞めたのだった。 瞳の事が気になっている佐相だった・・・

映画「アントキノイノチ」の前日譚をテレビ作品として放送したものです。 これを見た後、映画作品を見ると、映画ではもうベテラン社員の佐相さんの、過去がよくわかり、ゆきも登場しています。
しかしこの中ではゆきはさわりだけの登場で、会社に入社するまでというところで詳しくは映画でという設定です。 
クーパーズという会社のこんな仕事はほんとにあるんでしょうね。 なければだれがいったいこんな仕事をするんでしょうか? ただ専門となると、よほど割り切ってやらないと、心がもたない仕事なのではと思いました。
古田のセリフで、不用品ではなく、あくまでご供養品だと言うところが、はじめはわざとらしく聞こえました。 しかしドラマを見ていくうちに、だんだん古田の人となりがわかり、物を片付けて行きながら、だんだん死者の生前が解ってくる感じがよく伝わってきました。
しかしそれに必要以上に干渉することを古田は止めます。 でもまだ経験浅い佐相は収まらないんですね。 まともな感情を持った人間なら当然でしょう。 でもそれが却って佐相を苦しめます。
そして学び、いい意味で慣れていく様を、淡々と描いています。 単なる前日譚でなく、瞳というキャラが佐相の成長にきっかけになっていくところは良いストーリーになっていました。 そして映画に入っていきます。

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事情のありそうな女・瞳が気になる佐相

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