anttiorbの映画、映像の世界

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ひまわりと子犬の7日間

2013年作品、平松恵美子監督、堺雅人主演。

宮崎県で農業を営む老夫婦が飼っている犬に、子供が生まれた。 可愛い4匹の子犬だったが、1匹はどうも弱い体だった。 
長友孝雄(夏八木勲)は妻の長友光子(草村礼子)にこの子はだめだろうと言うが、光子は「大丈夫」という。 二人は親の乳も吸えない子犬に、ミルクをやり何とか育てた。 ほかの3匹はそれぞれ里親が決まり、貰われていった。 しかしこの子は体も弱いのでこの家で育てることにした。
3匹が貰われていくのを見つめる母親は寂しそうだったが、この1匹が残った。 しかしある日、黒い大きな野犬に母親は殺されてしまった。 子供を必死に守ろうとした結果だった。 それからこの子犬は長友夫婦に育てられ大きくなっていった。 二人が畑仕事に行くといつもついてきた。
しかしある日、光子は亡くなってしまった。 一人になり孝雄は施設に入ることになった。 もちろん犬を連れていくことはできない。 息子に後を頼み、孝雄は泣きながら犬に別れを言った。
しかしその犬は首輪を外し、孝雄の乗った車を必死に追いかけた。 しかし途中雨が降り出し、孝雄の匂いを追うことはできなくなった。 何日かたって、犬は自分の家に帰ってきたが、もう業者によって荷物が運び出されているところだった。
住み慣れた自分の家に見慣れない業者の人たちがいる。 怒って吠えると、スコップで追い払われた。 そして犬の姿は消えていった…
神崎彰司(堺雅人)は妻・千夏(壇れい)と動物園で働いているときに知り合った。 二人は結婚し二人の子供が生まれた。 妻は交通事故で亡くなり、家の事は母の神崎琴江(吉行和子)にお願いをしている。 そして彰司は今は保健所に勤めている。彼の仕事は、2か月は保健所で、そしてローテーションで次の一か月は、引き取られてくるいろんな事情の犬の世話を1週間することだった。 なぜ1週間なのか?保健所で面倒を見る期間は1週間という規則となっており、その間に里親が見つからなければ、犬たちは殺処分となるのだ。 彰司は子供たちに父の仕事の内容は言っていない。
そしてある日保健所に1本の電話が来た。 野犬が畑の作物を荒らしているので、捕獲してほしい。 彰司が3人で向かうと、子犬が3匹、そしてその子犬を必死で守ろうとする親犬が。 その犬こそ長友夫婦に買われていたあの犬だった…

心温まる作品が見たいと思ってこれは待っていました。 もちろん感動し、涙が流れましたが、その反面、動物を買う難しさ、そして買う側の人間のエゴがちらっと見えた作品でした。 
やむを得ない事情もあるでしょうが、そうでない犬、飼い主の勝手な都合で、捨てられたり、保健所に押し付けたりする人がいるのも事実なんでしょう。
この犬が野良犬になった経緯は不幸な展開でした。 孝雄は息子?に犬の面倒を見てくれる様、お願いをしていたんですね。 しかしくび輪が外れたことから運命は変わってしまったんです。 里親が保健所を通じて見つかるケースって少ないのではないでしょうか?
埼玉県には、そういう施設があり、見に行ったことがあります。 でもこれは稀なケースなのでしょうか? ちょっと考えさせられる物語でした。 堺雅人さんは、さすがにこういう作品では輝きますね。 素晴らしかったです。

犬の思い出は私にも少しあります。 赤ん坊のころから家で飼っていた犬がいましたが、老犬で幼稚園の頃突然いなくなりました。 あとで聞いたらやはり保健所に引き取ってもらったそうです。 
犬の名前はトシでした。 私は小さかったので、可愛いとか怖いと言う感情はまだありませんでした。 ただ、私には決して吠えませんでした。 
しばらくして私は犬が苦手になりました。 怖かったり、何か嫌だったり。 
しかし妻は犬が大好きでした。 実家は必ずビーグル犬を飼っていました。 死んでもまた次のビーグル犬を飼っていました。 そのころからわたしは犬が苦手で無くなりました。
妻と一緒に犬を触っていることがだんだん心地よくなっていました。 よく他人に懐かない犬が妻には初対面でもよく懐いていました。 私も平気で触っていました。
今でも、近所の散歩している犬には時間があれば触らせてもらいます。 いつか、飼える状態が来たら子犬から育ててみたいという思いを持っています。
この作品はぜひ家族で見てほしい物語ですね。家族連れも結構見ていましたが、この映画を観て一緒に考えてほしいなと思える作品でした。

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長友夫婦と幸せそうなとき

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雨の中必死に孝雄を追う

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動物園で働いているときのふたり

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子供たちに、いつ自分の仕事の内容を言うのかい?そういわれて困る彰司

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通報があり捕獲に行った彰司と安岡(でんでん)

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必死に守っていた子犬たち

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