anttiorbの映画、映像の世界

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黄金を抱いて翔べ

2012年作品、井筒和幸監督、妻夫木聡主演。

夏の暑い日ひとりの男が、つけられている。 若い男をつけている男はスーツを着ているが、若い男は気がついていた。 二人は兄弟だったが、日本人ではなく朝鮮系だった。
スーツの男は喫茶店に入り、久しぶりの再会を喜んだ会話をしていたが、若い方の男は決して笑顔を見せなかった。 そして若い男はスーツの男から銃を奪い射殺してしまった。
一方、久しぶりの大阪に来た幸田弘之(妻夫木聡)は二十数年ぶりに訪れた故郷で、大学時代の友人・北川浩二(浅野忠信)からある計画を持ちかけられる。 北川は既に住むところと、仕事を用意していたが、計画についてはその夜、自宅に招いた時にほかのメンバーも一緒に話をし始めた。
そこには銀行担当のシステムエンジニアである野田(桐谷健太)もいた。 彼はちょっとしたことで、まとまった金が必要だったので、今回の計画に乗ってきたのだった。 他に元エレベーター技師で、銀行の内部にも詳しい“ジイちゃん”こと斉藤順三(西田敏行)も加えるということになったが、北川からは爆弾に詳しいものも加えて欲しいと言われた。
幸田に誰か知らないかと聞いてくる北川に、幸田は一人当てがあると答えた。 それは兄を殺した朝鮮系の男だった。 
計画とは、大手銀行本店の地下にある240億円相当の金塊を強奪するというのだ。 なぜ爆弾が必要なのかと聞かれると、北川は変電所を爆破し、そちらに注意を惹きつけたいということだった。
幸田は、早速朝鮮系の男・“モモ”ことチョウ・リョファン(チャンミン)に接触し始めるのだったが、実は彼は北朝鮮の2重スパイで、公安と同胞から狙われているのだった。 さらに北川の弟の春樹(溝端淳平)もメンバーに加わり、計画開始となっていくのだったが・・・

井筒監督最新作です。 ただの銀行強盗だけでなく、北朝鮮のスパイ、公安、ヤンキー、様々に関わり合ってくる中、主人公の生い立ちも明かされる井筒監督作品にしては凝った作りになっています。
原作から来るんでしょうが、そのストーリーに井筒監督ならではの遠慮ないバイオレンス描写も入ってきていますね。 原作を読んでいないのでその通りなのかはわかりませんが、6人それぞれにうまくスポットを当てて、バランスよく配置されており、井筒監督らしくないような感じがちょっとしますね。
今回は結構洗練されていますが、ラストのいざ本番というところのクライマックスは洋画でよくあるスカッと盗むのではなく、泥臭く開けていくところはリアルでいいですね。
未だに生き残っている過激派が出てくるのは井筒監督の世代からでしょうかね。 また、ところどころちらっとギャグが入るところをよく見ていくと、更に楽しめると思います。 見やすい井筒作品でした。

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幸田と北川が再会

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斉藤も合流していく

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銀行担当のシステムエンジニアである野田

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北川の弟春樹と

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“モモ”ことチョウ・リョファンとも接触するが

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