anttiorbの映画、映像の世界

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わたし出すわ

2009年作品、森田芳光監督、小雪主演。

山吹摩耶(小雪)は故郷に帰ってきた。 しばらくゆっくりしようと思っている。
引越し屋が荷物を運び終わり、摩耶はチップを二人に渡すのだが、驚く作業員。そこには10万円(もう一人は1万円)入っていた。
摩耶は言う。 「このお金を有効に使っていい想い出を作ってください。」 
そこは函館、路面電車が走っている。 路面電車に終点まで乗っている摩耶。 降りようとしない彼女は、運転手の男に用があった。
彼は道上保(井坂俊哉)といい摩耶の高校時代の同級生だった。 彼をいれて5人の友達に会いたいという摩耶だった。 二人はその日色々話したが、摩耶は驚くべきことを言う。
何か欲しいものはない? 彼の夢は世界の路面電車巡りをすることだった。 戯れに言った保だったが、後日摩耶から送られてきたのはその旅費だった。 夫婦で驚く保だった。 そして摩耶は一人ひとり友達に会っていくのだった・・・

森田監督の不思議な感覚の作品です。 謎のお金持ち摩耶を小雪が演じていますが、彼女がなぜお金を友達に使うのか? 最後まで本当のところはわからないのですが、彼女は決して悪意でやっているのではないみたいです。
しかしそのお金を使う人間は様々で、人間の本性がどんどん出てきますね。
死んでしまう友もあり、夢を諦める者もいます。 悲しい物語ですが、最後の最後に摩耶が掴むものはかけがえのないモノでした。 そのラストを見てちょっとじわっとするところがこの映画の良さですね。
皆がそろうところが結局葬儀とかしかないところがちょっと象徴的ですね。
亡き森田監督の比較的最近の作品ですが、お金があったから良いというものでなくそれを使う人間の心しだいという考えようによっては怖い作品でした。

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引越し屋に破格のチップを渡す摩耶

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まず保と会う摩耶

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そして彼女は

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一人ずつ会っていく

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そして彼女はお金を与えるのだが

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