anttiorbの映画、映像の世界

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最強のふたり

2011年作品、エリック・トレダノオリヴィエ・ナカシュ監督、フランソワ・クリュゼ、オマール・シー出演。
 
夜のパリの道で信号を待っている車、運転しているのは黒人の男、助手席にはひげ面の白人。 「行くぜ!」 といい車を発進して並んでいる車の縦列を追い越し、ハイウェイに入った。 さらに飛ばし、どんどん無謀な運転をしながらすり抜けていく。
ほどなくパトカーが追跡してきた。 「パトカーをまくのに100ユーロ」 「のった!」
二人はこの危険な運転を楽しんでいるようだった。 うまく差をつけ降り口のところで、もう1台のパトカーが待っていた。 銃を突き付けられ、拘束されそうな黒人の男、しかしその瞬間助手席の男が泡を吹いている。
「こいつは障害を持っており発作が出てきたから飛ばしたんだ。ほおっておくと死んでしまうぞ!」 警察のほうがビビッて、救急病院まで先導してくれることになった。二人は先導することにも賭けをしていた。 
病院について警察が行ってしまうと、助手席の男は何食わぬ顔をしていた。 泡を吹いての発作の顔は芝居だった。 そして運転手の男は 「行先は任せろ」 と言い車を走らせた。 運転していたのはスラム街出身で無職の黒人青年ドリス(オマール・シー)。 もうひとりは、パリの邸に住む大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)。フィリップは首から下が動かなかった。 二人はどうして出会ったのか?、それはこれから語られていくのだった…
 
やっと観れました。全然境遇の違う二人が、初対面の時から何か惹かれあいますが、ドリスに何かを感じたフィリップのほうが、どちらかと言うと積極的に引っ張った感じでしたね。
大金持ちなのに何一つ自分でできないフィリップの周りには、ドリスはあまりにも異質でしたが、その選択こそが、どこか人生の希望が失われている彼にもう一度、生きることの希望を、活力を感じさせていくのがドリスでしたね。
もう見た方が多いでしょうから、私がよかった場面をいくつか、一つはフィリップの誕生パーティーでのドリスのダンスですね。 クラシックの生演奏もいいですが、ドリスのipodからのアース・ウィンド・アンド・ファイアーが流れてきたときの皆の明るい顔、私も思わず体が動いていました。
もう一つは、ドリスの弟がフィリップ邸に来た時、フィリップは迷うことなくドリスを首にした時のフィリップのあまりも悲しそうな顔。 それがラストに繋がっていきます。 ただ惜しい点は、日本だからかもしれませんが、やはりいろいろ表現できないのでしょうか、字幕自体がだいぶカットされているところですね。
難しい健常者と、身障者の関係なのはわかりますが、遠慮しないでどんどんジョークを言うドリスの言葉は、当たり障りない字幕になっているところですね。 仕方ないところではありますが、完全字幕版と言うものが出れば、細かい表現も味わいたいですね。
まあ自分がフランス語を理解すればいいことなんですが…ラストのフィリップの幸せそうな顔は心に染み入りました。 素晴らしい作品でした。
 
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車をかっ飛ばすふたり
 
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フィリップを世話することになったドリス
 
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二人は意気投合
 
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今度は高速車椅子でかっ飛ばす
 
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