健一は重病で父親に会いたがっていると知らせてきたのだ。 一緒に病院に向かう二人だったが、いざ病院に着き、先に理恵は健一の前に行くと、剛一の声が聞こえた。
「俺は会いたいなんて言った覚えはない!」 「会いたくない!」 強い口調でカーテン越しに息子の声が聞こえた。 無言で踵を返す剛一だった。
理恵は病気で気分が悪いからだと言い、健一の撮った番組のビデオを渡す。
家に戻った剛一は渡されたビデオを見てみると、そこに映っていたのは、中国で千年以上前にさかのぼる、宗教的儀式で、健一が演劇形態の研究をしていたことを知る。 そこの仮面劇を番組に収めていたのだった。
健一は有名な俳優リー・ジャーミン(リー・ジャーミン)の舞踏を見るために、はるばる中国南部・雲南省まで向かったが、あいにくリーは病気のために歌を披露することができず、健一が翌年再び雲南省を訪れたら、『三国志』に由来する仮面劇『単騎、千里を走る。』を披露することを約束していたのだ。 しかしあいにくそれはある事情で約束が果たされていなかった。
そこに健一の診断結果が理恵から知らされた。 肝臓がんだった。 もう長くはないと泣き崩れる理恵。 そして息子の仕事の内容など知らなかった剛一は、ある決心をするのだった。
中国へ行こう。 健一のやり残したことを何とか自分がやってみようというのだ。 息子のために何かしたいという強い思いが剛一をたった一人で中国へ行かしたのだった。 しかし・・・
これは健さんの中国ロケで話題になった作品でしたね。
この映画は日本サイドを降旗監督、中国サイドを張監督とパートが分かれています。 それは見ているとよくわかります。 演技も全然違いますし、ただそれは上手い下手ではなく人の考え方の違い、制度の違い、しかし底辺で流れている人間の情念はどうなのか?そのあたりを強烈に問いかけてくる物語です。
ラストの楊楊(ヤンヤン)が追いかけてくるシーンは感動というよりも、不思議な感覚が湧きました。
息子のできなかったことをしに中国へ
しかしなかなか難しいことだった
しかしなんとか粘り強く
そこで会った少年ヤンヤンと
彼との絆が