2014年11月10日、“最後の映画スター” 高倉健が他界。 日本映画のひとつの時代が幕を下ろした。 1960年代のプログラム・ピクチャー全盛期に任侠映画のブームを牽引、映画館に詰めかけた観客を熱狂させ、主題歌を合唱させ、時には男泣きさせた。
スクリーンから発せられる圧倒的な存在感にふれた観客は親しみと敬意を込めてこう呼びかけた――「健さん」。 しかし、生前に限られたインタビューしか受けなかったこの不世出のスターの素顔は、わずかな情報の中でしか明らかにされていない。彼は何を考え、どう行動し、何を成し遂げてきたのか。 マーティン・スコセッシやマイケル・ダグラス、ジョン・ウーといった海外の名匠、名優のインタビューから映画、そして日本の美学を紐解き 、山田洋次や降旗康男、澤島忠ら日本映画の黄金期を彩り今日もなお活躍し続けるクリエイター陣の証言からは、高倉健の輝かしいキャリアとともに古き良き日本映画の歴史をも辿っていく・・・
「単騎、千里を走る。」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7379295.html で案内役をしたチュー・リンが高倉健の訃報を聞いて時間がたって、日本に来たシーンからお話は始まります。
亡くなる前後に、健さんのドキュメンタリーが作られ、NHKでの作品・「プロフェッショナル 仕事の流儀 高倉健スペシャル」 を見ていたので、NHKって、晩年の有名人のドキュメンタリーをうまいタイミングで作るなあと感じたことを覚えています。
あの作品は最終作 「あなたへ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/6847055.html の撮影に密着した構成でしたが、あの時点ではまさか亡くなるとは…というのが正直なところで、映画本編も、そしてそのメイキングのようなドキュメンタリーも見れて、正直良かったと思いました。
生前、なかなかプライベートが明かされない存在の役者の一人で、同じように好きな役者さんでは渥美清さんもそうでしたね。 しかし渥美さんは役者人生の大部分を「寅さん」 にささげ、車寅次郎を演じ切っていましたが、健さんは、文字通り 「高倉健」 を生涯演じていたように思えます。
今作品では、数少ない海外映画参加作品の 「ブラック・レイン」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/2938909.html から、マイケル・ダグラス、ヤン・デ・ボンがインタビューに答えていますし、作品参加はなりませんでしたが、マーティン・スコセッシ、ジョン・ウーもインタビューに応じてくれていますね。
印象深いのは、健さんがこだわり続けたのが、日本の男を演じる、この一点がぶれなかったという事ですね。 若い頃の任侠映画もそうですし、晩年東映を離れた後も、形は変われども、演じたのはすべて “日本の男” でした。
私の親世代は、任侠の高倉健、背中に彫り物があって義理と人情で戦いに打って出る男でしょうが、私も健さんは、情に厚い無骨で不器用な男の姿でしたね。 シャレた愛情表現なんかは一切見せないし、できない男ですが、女の方がそんな健さんに惚れていく、もちろん男も惚れるんですがね(^^)
監督は写真家でもある日比遊一、映画監督は初めてですが、ニューヨークで演技を学んでいる経歴があるようです。