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生きて、生きて、生きろ。

2024年作品、島田陽磨監督。

2011年に起きた東日本大震災および福島第一原発事故から13年が経ち、福島ではこころの病が多発し、若者の自殺率や児童虐待も増加。 地元の精神科医や医療従事者たちは、患者たちと向き合い、支えようと奔走している。 

福島県相馬市にあるメンタルクリニックなごみ院長の蟻塚亮二が診察する患者は、うつ病適応障害パニック障害など様々な症状を抱えているが、原発事故の恐怖がフラッシュバックするなどといった、年月を経てから発症する遅発性PTSDの患者がここ数年で多くなっている。 連携するNPO こころのケアセンターの米倉一磨は、こころの不調を訴える地域住民たちの自宅訪問を重ねている。 

津波で夫が行方不明になったままの女性、原発事故による避難生活の中で息子が自死し自らも自殺未遂を繰り返している男性、避難生活が続くうちに妻が認知症になった夫婦など、患者や利用者たちは震災や原発事故の影響を大きく受けている。

沖縄で沖縄戦の遅発性PTSDを診た経験のある蟻塚医師は、福島でも今後同様の症例が増えていくのではと考えていた。 喪失感や絶望に打ちのめされながらも日々を生きようとする人々と、それを支えようとする医療従事者たち。 やがてそれぞれに小さな変化が訪れていく。

監督は島田陽磨、「ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん。」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2022/02/10/060000 も興味深いドキュメンタリーでした。


東日本大震災の作品は多いですね。 ドラマだったり、ドキュメンタリーだったり。 でも時と共に、日本人の心からだんだんウエートが低くなっていることも事実で、3.11に振り返ってまた思い直す、そんな感じになっているのでは?
しかし実際に被災した人々にとっては、心に受けたダメージは一生消えないし、今作では、数年経ってPTSDを発病するという、そこにスポットが当てられています。


福島で苦しんでいる人たち、いまだに引きずっている被災した人間を、なんとかサポートして、生活を取り戻そうとするNPOの方々、本当に頭が下がります。
“あの時原発事故がなかったら、そもそも津波が来なかったら“ 被災者で苦しんでいる人が放った言葉ですが、本当にそれは大なり小なり、日本人は誰しも悔しいところだと思います。 でも、なんとか少しずつでも、何かを頼りに生活を少しでも進めていく、そんな日々が来てほしいと思った強い作品でした。