anttiorbの映画、映像の世界

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丑三つの村

1983年作品、田中登監督、古尾谷雅人 田中美佐子 池波志乃 夏八木勲 原泉 五月みどり 大場久美子出演。

敗戦色の色濃い昭和十三年。中国山地の山並みに囲まれた世帯数二、三十の日暮谷の村で生まれ育った十八歳の犬丸継男(古尾谷雅人)は、村一番の秀才として村人の尊敬と期待を集めていたが、自分では、早く戦場に出て国のために戦いたいと願っていた。 駐在所まで片道三十分という辺鄙なこの村は、近親婚が多く、ほとんどの者が親類関係にある。 継男はたった一人の肉親、祖母のはん(原泉)をおいて師範学校へ行くことはできず、独学で検定試験を受け、教師になろうと考えていた。 十八歳にもなると、継男にも村の人間関係の裏側が分るようになり、ある夜、散歩をしていると、人妻のえり子(池波志乃)と村の有力者、赤木勇造(夏八木勲)が絡み合っているのを目撃する。 赤木は夜這いの取り締りを提案した張本人で、彼のことを汚いと思うが、同時に自身の性のうずきも強く感じるのだった。

数日後、継男はえり子の所を訪ね、赤木のことを話すと、彼女は簡単に彼に体を開いた。 また継男は、はんに金を借りに来るミオコ(五月みどり)とも関係を持つが、そんな性の世界に溺れず、彼は幼なじみのやすよ(田中美佐子)に思いを寄せていた。 そんな継男は兵役検査を受けるが、なんと、結核と診断されてしまう。 これまで秀才と継男をもてはやしていた村人もコロッと態度を変え、彼を避けるようになる。 そんな中で、和子(大場久美子)が親切にしてくれたが、それは継男の結核を知らなかっただけで、病気を知ると、他の村人以上に冷たくなった。 そして、心のよりどころだったやすよも嫁に行くことになった。

監督は田中登、記事はありませんでした。
継男役は古尾谷雅人、「悪霊島」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/15632152 他1本、記事にしています。
田中美佐子がメーンのヒロイン役で、「川っぺりムコリッタ」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2022/09/23/060000 に出演でした。

今作は結構忠実に“津山事件“をベースの原作に沿っていますね。 登場人物の名前こそ変えてありますが、ほとんど伝えられているそのままということのようです。
またこの事件が「八つ墓村」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/15234552 のベースになっていて、今作でのオープンセットが“八つ墓村“のセットをそのまま使っているということですね。
しかし主人公の継男は本当に頭のいい男で、結核にさえならなかったら、ちゃんとした現代だったらと思うくらい、もったいない人材だったようですね。