2020年作品、大庭功睦監督、水川あさみ 浅香航大 寄川歌太 木下渓出演。
シングルマザーの母親と暮らす中学2年生の学級委員長の須羽隼介 (寄川歌太)、彼は幼馴染の裕翔(池田優斗)がいじめられている所を助けた事で、次は自分がいじめの標的になってしまう。 エスカレートするいじめに苦しみながらも、母親に心配をかけたくない一心で、学級委員長は1人で全ての問題を抱え込む。 また裕翔も家に引きこもってしまっていたが、学級委員長は自分を裏切った裕翔への怒りを抱えていた。
ある時、学級委員長は女子生徒の天野(木下渓)と知り合う。 天野は、絵画コンクールで入選するほどの才能があるが、勉強が苦手な事から、厳しい両親に成績が下がれば絵を描く事を禁止されてしまう。 学級委員長は天野に勉強を教えていく中で、2人は親密になっていくが…。
厚生労働省で働く若手官僚の鷹野(浅香航大)。 鷹野は日々の業務に忙殺されていたが、上司に全く評価される事は無く、理想と現実の間で苦しんでいた。 また、同期も厚生労働省を去る事になり「何の為に仕事しているんだ?」という問いかけに鷹野は何も答える事ができなかった。
ある日、非正規雇用の問題に取り組むNPO団体が持ち込んだ「非正規雇用が原因で亡くなったとされる人々のリスト」を手に取った鷹野は、自身と同じ年齢である、25歳で自死した青年の事が気になる。 鷹野は、自分が取り組んでいる仕事の実態を掴む為、NPO団体からの情報をもとに、青年の死の真相を探るようになっていく。 鷹野は、青年と交際していた元恋人に辿り着くが、そこで意外な言葉を聞かされる。
駆け出しの切り絵作家として活動をしている翠(水川あさみ)。 翠は、高校教師で美術を教えている夫の拓己(水橋研二)に支えられながら、自身の活動を続けていた。 翠は切り絵作家として認められるようになってはいたが、パートを続けないと苦しい生活状況が続いていた。 また、30代も後半に差し掛かった翠は、次第に自身の子供を出産する事を意識するようになっていく。
しかし、考える事は不安定な日本の情勢や、夫婦の収入の事など、漠然とした将来への不安ばかりだった。 そんな中、翠はある日を境に、拓己の態度に不自然な部分を感じるようになっていく。
監督は大庭功睦、作品の記事は初めてです。
翠役は水川あさみ、「ミッドナイトスワン」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2020/10/05/060000 に出演していました。
須羽役は寄川歌太、記事にするのは初めてですね。
鷹野役は浅香航大、「あなたの番です 劇場版」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2021/12/20/060000 に出演していました。
3つのシチュエーションで展開するこのお話は歌人・萩原慎一郎の生涯や著作である『歌集 滑走路』から着想を得た群像劇ということですね。 時代背景も少し違うんですが、高校生パートと、厚労省は繋がっていて、夫婦のところはある程度独立しています。
私は高校生パートの天野さんが良かったですね。 木下渓という若い女優さんが演じていますが、今はプッツリと消息がわからない存在となっています。 いつか普通の女優さんで戻ってきてほしいんですが。