anttiorbの映画、映像の世界

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ミッドナイトスワン

2020年作品、内田英治監督、草彅剛 服部樹咲 田中俊介 吉村界人出演。

新宿。トランスジェンダーの凪沙(草彅剛)スイートピーというニューハーフ、ショークラブで働いていた。 今夜もメイク台の鏡の前でステージに向かう準備をしていた。
凪沙の親戚の桜田早織(水川あさみ)は、アルコールにおぼれ、娘の桜田一果(服部樹咲)に暴力を奮うなど育児放棄状態だった。 それを心配した母親の和子(根岸季衣)は、凪沙に養育費を送るという条件で少しの間、一果を預かって欲しいと電話をしてきた。 養育費欲しさに、一果を預かることになった凪沙。 こうして理解しあえるはずもない二人の生活が始まる。
元来子供が嫌いな凪沙は、うっとおしいと感じながらも二人の時間は流れて行く。
一果が通うことになる中学校へ転校の手続きのため、凪沙と共に学校に訪れた。 当然、凪沙は場違いでかなり目立った。 手続きが済むと早々に帰って行った凪沙を後に、残された一果は、早速授業を受けることになる。 そして休み時間、早速問題が起きてしまう。
いきなり転校してきた一果に興味津々な一人の男子生徒が「ねえ、ねえあれってお父さんなの、それともお母さん?」とからかってきたのだった。 一果は無表情で立ちあがり、自分が座っていた椅子を持ち上げると男子たちに向かって投げつけた。 それが一人の男子に直撃してしまう。
一果は、担任に事情を聞かれれるが、何も答えなかった。 担任は凪沙に連絡を入れるがつながらない。 仕方なく手紙を持たせ一果は開放される。
なんとなくそのまま真っすぐ帰ることができなかった一果は、ぶらぶらと宛もなく歩き続けていたが、前を横切る少女たちに目を向けた。
その少女たちの髪型が気になったのだ。 なぜなら長い髪をお団子にしていたから。 それはバレエの髪型だった。 そしてその教室について行き、バレエ教室のレッスン風景を食い入るように見る一果だった…
 
これは秀作ですね。
監督は内田英治、「獣道」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/15625883 を記事にしています。
主演は草彅剛、「台風家族」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2019/09/21/060000 が近作ですね。
服部樹咲は新人です。 素の演技なのか、なかなかいいんですよね。 DVを母親から受けていて、人との接触が苦手になっていた一果の演技がよかったし、ラストシーンの演技がまた別人のようにいい雰囲気を出します。
 
物語はジェンダーの凪沙のお話です。 東京で一人暮らしの凪沙は、ショークラブでダンサーとして働いていました。 そして彼は体を変えるためにお金をためていて、定期的にホルモン注射もしていました。 まとまったお金が欲しいと思っていた矢先、親戚の女の子を預かってほしいという話が母親から来ました。 お金を出すから母から暴力を受けている娘をしばらく預かってほしいということでした。 もちろん子供嫌いで受けたくはありませんでしたが、一定期間ということでお金目当てに引き受けます。
そんな露骨な態度に、一果もなつきません。 しかし彼女はバレエをしたいという強い気持ちを持っていました。 さらに、彼女はバレエの才能があったのでした。
 
今作は、ところどころ涙を誘う作品です。 それはジェンダーとしての主人公の苦悩であり、バレエを通じて芽生えていく凪沙の母性、そして今まで、女にただなりたいという凪沙が、母になりたいという気持ちに傾いていく瞬間ですね。
草彅君の熱演ですが、本来顔つきがごつい彼が、この役をこなすことが実にピッタリなんですよね。 これは、LGBTQの邦画の中ではできが素晴らしいですね。
 

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今日もダンサーとして働く凪沙

 

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DV癖の母と暮らす一果

 

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そして一果は凪沙のもとに

 

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そんな彼女はバレエがやりたく彼女の教室に行く

 

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そしてやりくりをして才能が開花する

 

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それを知った凪沙は

 

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