anttiorbの映画、映像の世界

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花芯

2016年作品、安藤尋監督、村川絵梨 林遣都 安藤政信 藤本泉出演。

昭和18年。古川園子(村川絵梨)は雨宮清彦(林遣都)と結婚することが決まっていた。 清彦は園子のためなら何でもすると言っていた。 本当は文学者になるのが夢なのに、将来お金に困ることになるからと、工学部に転部していた。 だが、園子は自分の父の入れ知恵で、徴兵を逃れるためにやったことだと知っていた。 理系の学生は学徒に出陣しなくてもいいのだ。
昭和20年。 日本は敗戦した。 父ですら泣いていたのに、園子は呑気に草原の上に寝っ転がっていた。 蓉子(藤本泉)はそんな姉の態度が理解できなかった。 だが、園子は園子で、これからのことを考えていた。 今まではお国のために生きてきたが、日本が負けた今、何のために生きていくのだろうと疑問を抱いていた。 蓉子は何も言葉を返すことができなかった。
昭和21年。 園子は清彦と祝言を挙げた。 父は床に伏せっており、跡継ぎを頼むと弱弱しい声で園子に頼んだ。 園子はそれをとても冷めた表情で見ていた。 その日の夜、初夜が行われた。清彦は童貞で、女性の扱いに慣れていなかった。 園子はウンザリした表情で、夜の営みが終わるのを待った。
昭和22年。 園子は子供を出産した。 それに伴い、清彦に求められるまま、夜の営みも再開された。

昭和23年。 蓉子は清彦に似てきた子供にキスをしようとした。 だが、部屋に姉が入ってきたため、最後まですることは叶わなかった。 蓉子はこのお芝居がいつまで続くのかと姉を皮肉った。 園子が清彦のことを愛していないことは知っていた。 しかし、園子は結婚など日常の事務的な取り決めだと思っており、愛は望んでいなかった。


原作は瀬戸内寂聴ですね。
監督は安藤尋、「月と雷」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2019/12/18/180000 を記事にしていますが、ちょっと独特のタッチをする監督のようですね。
主演は村川絵梨、「リスタートはただいまのあとで」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2020/10/01/060000 に出演していました。
夫役は林遣都、「私をくいとめて」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2020/12/25/060000 が近作となります。


物語は終戦前夜、ある青年と寺の裏でことをしていた園子、しかしその軍服の青年は体を求めることを止め、そしてそれっきりになります。 園子は結婚が決まっている青年がいました。 彼は工学部にいることから兵役免除になっていました。 清彦という青年はその子のこと一途で、童貞でした。
戦争が終わり、祝言の運びとなった園子、しかし彼女には全く清彦に対する愛情もなく、ただSEXをして妊娠出産をしていきます。


今作は、この主人公の女性もある意味時代の被害者なのかもしれませんね。 親に反抗ができない時代とともに、戦争を挟んで自由に相手を選べない、ただ、時間が経つにつれ段々自分に気がついていく、彼女の幸せがいつ訪れるのか? それはこの物語が終わった後なんでしょうね。


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