2015年作品、ナタリー・ポートマン監督・主演、ギラッド・カハナ アミール・テスラー出演。
アモス・オズ(ヨナタン・シライ)は、かつての幼少期を振り返る。 ときは1945年、英国統治下のエルサレム。 幼少期のアモス(アミール・テスラー)は、父アリー(ギラッド・カハナ)と、母ファニア(ナタリー・ポートマン)と共に暮らしていた。
一家は、その時代の多くのユダヤ人と同様に迫害から逃れるためにヨーロッパから移住してきた。 希望の光を求めて彷徨ってきた一家。 だが戦争の恐怖と、そのあとに訪れた日々の暮らしの退屈さはファニアの心に暗い影を落としていた。 結婚生活への不満、息苦しく鬱積を募らせる日々のなか、彼女は持ち前の想像力を働かせて、砂漠をまたぐ冒険物語を創作しては息子のアモスに聞かせていた。
アモスにとって母親から物語を聞かされること、詩を詠んでもらうこと、言葉や言語を教えもらったことは、のちの彼の人生に多大な影響を与えることに……。
イスラエル建国の前後のわかる作品ですね。
監督、主演はナタリー・ポートマン、「ポップスター」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2020/06/12/060000 が近作となります。
夫役はギラッド・カハナ、初めてみる俳優さんですね。
そして息子のアモス役はアミール・テスラー、なかなか好演していた子役の少年でした。
第二次戦時下では迫害を受けたユダヤ人一家のファニアと夫のアリー、そして一人息子のアモス。 イギリスの統治下にあったエルサレムは、アラブ人が長く住んでいた地であり、ユダヤ人はアラブ人となんとか共存しようと、苦労していました。
父は自分の著作を出すことを生き甲斐としています。 そんな中、なんとイスラエルは独立が間近になってきていました。 ユダヤ人の国が持てる、そうすれば今までの苦労が全て報われる、彼らだけでなく多くのユダヤ人がそう思い耐えていました。
しかし母のファニアは夫を愛してはいましたが、自分の理想の結婚、理想の相手とは夫はかけ離れていました。 そんな自分の理想を、アモスには物語として話していました。 そしてとうとうイスラエルが建国されますが。
今作は、中東戦争の背景には、イギリスの影が大きく影響していたことがわかる歴史の側面も描かれていますね。 国連の投票で、イスラエルが承認される瞬間と、そこから始まる中東戦争、そしてイギリスのしがみつくような醜態が、この一家にも大きな影になり、心を病んでいくファニアがなんとも哀れでしたね。
ナタリー・ポートマンが監督、制作、主演と自分の異ルーツを探っていくような作品ですね。
エルサレムにやってきた3人の家族
そしてイスラエルの建国承認
母は夢多き少女時代を過ごしていた
しかし病んでいく
心配する実家だったが
母の病状は悪化していく