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ユダヤ人を救った動物園 ~アントニーナが愛した命~

2017年作品、ニキ・カーロ監督、ジェシカ・チャステイン ヨハン・ヘルデンベルグ マイケル・マケルハットン ダニエル・ブリュール出演。

1939年、ポーランドワルシャワ。 ヤン(ヨハン・ヘルデンベルグ)とアントニーナ(ジェシカ・チャステイン)夫妻は、当時ヨーロッパ最大の規模を誇るワルシャワ動物園を営んでいた。 アントニーナの日課は、毎朝、園内を自転車で巡り動物たちに声をかけること。 時には動物たちのお産を手伝うほど、献身的な愛を注いでいた。 彼女は、動物園の魔術師といわれ、彼女のことを動物たちが慕っているのが誰の目にもわかるのだった。
しかしその年の秋、ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発する。 動物園の存続も危うくなる中、アントニーナはヒトラー直属の動物学者・ヘック(ダニエル・ブリュール)から 「あなたの動物を一緒に救おう」 という言葉と共に、希少動物を預かりたいと申し出を受ける。 寄り添うような言葉に心を許したアントニーナだったが、ヤンはその不可解な提案に不信感を募らせていた。
ヤンの予感はまさに的中し、数日後、立場を一転したヘックは 「上官の命令だ」 という理由をつけて、園内の動物たちを撃ち殺すなど残虐な行為に出る。
一方でユダヤ人の多くは次々とゲットー(ユダヤ人強制居住区)へ連行されていく。その状況を見かねた夫のヤンはアントニーナに 「この動物園を隠れ家にする」 という驚くべき提案をする。
ヤンの作戦は、動物園をドイツ兵の食料となる豚を飼育する 「養豚場」 として機能させ、その餌となる生ごみをゲットーからトラックで運ぶ際に、ユダヤ人たちを紛れ込ますというものだった。
人も動物も、生きとし生けるものへ深い愛情を注ぐアントニーナはすぐさまその言葉を受け入れた。 連れ出された彼らは、動物園の地下の檻に匿われ、温かい食事に癒され、身を隠すことが出来た。 しかし、ドイツ兵は園内に常に駐在しているため、いつ命が狙われてもおかしくない。
アントニーナの弾くピアノの 音色が 「隠れて」 「静かに」 といった合図となり、一瞬たりとも油断は許されなかった。
さらにヤンが地下活動で家を不在にすることが続き、アントニーナの不安は日々大きく募る。 それでも、一人 “隠れ家” を守り抜き、ひるむことなく果敢に立ち向かっていくのだが・・・

第二次世界大戦ポーランド、ここにも大きなドラマがあったんですね。
監督はニキ・カーロ、私ははじめて作品を見ました。
主演はジェシカ・チャスティン、近作は 「女神の見えざる手」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15216930.html ですが、今作のアントニーナとはちょっとタイプの違う強い女性を演じていましたね。
夫役はヨハン・ヘルデンベルグ、彼は初めて見るかもしれませんね。 ダニエル・ブリュールは、「ヒトラーへの285枚の葉書」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15056142.html に出演していました。

物語はプラハの動物園が舞台です。 シャビンスキ夫妻の動物園は、いろんなバラエティな動物がいて、有能な飼育員と一緒に、地域から愛されていました。 自転車に乗り、朝動物たちに挨拶をするアントニーナ、どの動物たちも彼女に挨拶をするシーンはなんともほほえましい。 しかしそれはすぐに終わりを告げます。
戦争が始り、あっという間にドイツに占領されてしまうポーランド、そして一家は、この動物園で生きていくことを決めるんですね。 ドイツ軍は広いこの敷地を武器庫にしようとしたいようなんですね。
しかしここで知恵を使い、養豚場にすることである考えが浮かびます。 ヘックはヒトラーお抱えの動物学者、何とかユダヤ人を救うために、彼の力を気づかれず利用していきます。 一歩間違うと皆殺しになる危険な賭け、そしてヘックはアントニーナに思いを寄せているのが厄介なんですが。
これも戦争の悲劇のひとつですが、この夫婦、そしてアントニーナはぎりぎり頑張ります。 珍しくハッピーエンドになる心温まる実際のお話です。

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動物たちは彼女の“子供たち”

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しかし戦争が始り、ヘックの支配下

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苦悩する夫妻

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ゲットーも閉鎖され、収容所から連れ去られる老人と子供たち

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そして夫妻はある行動に出る

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それは危険な賭けだった

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