2020年作品、行定勲監督、山崎賢人 松岡茉優 寛一郎 伊藤沙莉出演。
中学からの友人と立ち上げた劇団おろかで永田(山﨑賢人)は脚本・演出を担当しているが、前衛的な作風は上演ごとに酷評され、客足も伸びず、劇団員も永田を見放し劇団は解散状態に。 演劇に対する理想と現実との間で悩み、言いようのない孤独を抱える永田。
中学からの友人と立ち上げた劇団おろかで永田(山﨑賢人)は脚本・演出を担当しているが、前衛的な作風は上演ごとに酷評され、客足も伸びず、劇団員も永田を見放し劇団は解散状態に。 演劇に対する理想と現実との間で悩み、言いようのない孤独を抱える永田。
そんなある日、同じスニーカーを履いた沙希(松岡茉優)を見かけ、自分でも驚くほどの積極性を発揮し声をかける。 突然の出来事に戸惑う沙希だったが、様子のおかしい彼を放っておけず、一緒に喫茶店に行く。 沙希は女優になる夢を抱き上京し、服飾の大学に通っていた。
金のない永田は沙希の部屋に転がり込み、二人は一緒に暮らし始める。 自分の夢を重ねるように永田を応援する沙希。 永田は自分を理解し支えてくれる沙希を大切に思いつつも、理想と現実と間を埋めるようにますます演劇に没頭していき……。
男、男性として複雑な作品でした。
松岡茉優は、「ひとよ」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2019/11/30/060000 が近作ですが、今作の彼女は、女神でした。
物語は、もうどん詰まりになっている劇団の脚本家の男・永田のお話です。 いっぱいいっぱいの彼はもうどん底でしたが、そんな時ある画廊で同じ絵を見つめていた女性に出会います。 初対面の人が苦手な彼が、彼女にいきなり話しかけます。 もちろん拒否られますが、尋常じゃない永田が放っておけなくなります。 そして二人は付き合い始め、永田は沙希のアパートに転がり込んでしまいます。
そして女優になる夢を持っていた沙希を、自分の脚本の主人公に据えますが、その舞台は今までにない好評を得ます。 しかし彼女はそれっきり舞台に上がることをしなくなります。
今作は、男目線で見ると、この永田という男はクズの限りですね。 脚本家兼役者なんですが、独りよがりで、プライドだけは一見高く、しかし自分の実力は薄々感づいています。 しかし沙希だけは、彼を信じ、支え、すべての生活の面倒を見て行きます。 でも、彼は結局劇団での成功はありませんし、ほとんど1日何もなく生活をしています。
彼女がとうとう壊れていく姿は、見ていてつらいんですが、でも最後まで心のどこかで永田を愛している、尊敬している姿は、いじらしく泣けるんですよね。 永田はクズとしか思えませんが、映画は面白かったです。
ドン詰まりの永田
しかし沙希は彼を喫茶店に誘う
野原と二人の劇団
そして彼女のアパートに転がり込む
そして彼女を主役に据える
沙希は永田を支え続ける