anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

鉄道運転士の花束

2016年作品、ミロシュ・ラドヴィッチ監督、ラザル・リストフスキー ペータル・コラッチ ミリャナ・カラノヴィッチ ヤスナ・デュリチッチ出演。

60歳のイリヤラザル・リストフスキー)は定年間近の鉄道運転士。 現役中に28人を殺してしまったという不名誉な記録を持っている。 一番最近は、線路に上でエンストしてしまったワゴン車にぶつかり、全員を轢き殺してしまったこと。 花束を持ってお墓に行き、遺族にお悔やみを言いに行くが、もちろん遺族は激怒し、追い返されてしまう。 しかし彼はもう慣れっこになっていた。
でも、心には大きなトラウマを抱えているのも事実。 そのためカウンセリングは欠かせず、心理カウンセラーのヤゴダ(ミリャナ・カラノヴィッチ)とは強い信頼関係で結ばれていた。
そんなある日、一人の少年(Pavle Eric)が、鉄橋の上を歩いていた。 そしてその少年は逃げることをせずじっと列車を待っていたが、ギリギリでとまる事が出来ほっとするイリヤ
彼はシーマといい、孤児、捨て子で、施設で育てられていたが、死のうと思い線路を一人で歩いていたのだった。 イリヤは彼を引き取り、育てることにする。 しかしイリヤは、けっしてシーマを運転士にしたくはなかった。 でもシーマはイリヤを見て育ち、運転士になりたくて仕方がなかった。
イリヤが養子として迎えた19歳になる息子シーマ (ペータル・コラッチ)は、家業である義父の仕事の後を継ぐ準備をしていた。 そんな息子にイリヤは、事故は避けて通れないものだと折に触れて話す。
シーマは人殺しになりたくないという恐怖を抱きながらも、初乗務から初殺人に至るまでどれくらいの時間がかかるのか気になって仕方がなかった。 そして、まずは一人暮らしをする為に、離れた地で暮すことになっていく。 迎えに住んでいる、同僚の夫婦は冷たい態度のイリヤにやきもきするが、それはそれで彼の愛情だともいえる。
しかしそんなシーマのことを良い加減に扱う人間によって、シーマは大怪我をしてしまうのだった・・・
 
これはなかなか味のある作品です。 お勧めです。
監督はミロシュ・ラドヴィッチ、初めて作品を見ますが、面白い作品を作る監督ですね。
主演はラザル・リストフスキー、ある作品を見逃したんで彼を見るのは初めてです。
そして成長したシーマ役はペータル・コラッチ、もちろん初めて見る若い俳優さんです。
ヤゴダ役はミリャナ・カラノヴィッチ、ラザルと一緒にあの作品に出演していました。
 
物語は、ある鉄道運転士のお話です。 鉄道事故は、まともにぶつかる人身事故は、ほぼ命を失います。 そんなことを経験する運転士は、だんだんと慣れて行き、図太くなって行きます。 しかしだからといって、人の命なんてどうでも良いとは思っていませんし、亡くなった人には花を持ってお悔やみに行きます。
カウンセラーは、若い人には務まりません、事故の様子を聞いただけで気分を悪くしてしまい、すぐに辞めてしまいます。 だからベテランの人間しか続きません。
ヤゴダはそんな中、運転士の気持ちをほぐしてくれるマドンナ的存在のベテランで、イリヤとは信頼で結ばれ、愛しあっているようです。 でもイリヤには、事故で亡くなった恋人がいたんですね。 彼女も列車に轢かれたんですね、彼の目の前で。
そして間一髪轢かなかった少年を養子にして、自然と彼はイリヤと同じ職業に尽きたいと思うようになって行きます。
 
今作は、人身事故が着いて回る鉄道運転士のお話、日本でも私の通勤路線は、有名な人身事故多発路線です。 ホームドアもなく、月に数回は止まってしまう悪名高い路線です。 ひどいときは週に2回以上ありますから。
しかし、日本はいろんな対策で減らそうとしていますがこの作品では、もっと長閑で本当に頻繁に起こるのか? と思いますが、一度経験しなくては一人前とは言えないような風潮があります。
シーマはいつ経験するのか? しかし経験したくない、ジレンマに陥る彼にイリヤはある決断をするんですが。
 

f:id:anttiorb:20190825201351j:plain

定年間近のイリヤ

 

f:id:anttiorb:20190825201413j:plain

人身事故は経験のうち

 

f:id:anttiorb:20190825201422j:plain

恋人も事故で失った

 

f:id:anttiorb:20190825201431j:plain

そんな時間一髪シーマを救う

 

f:id:anttiorb:20190825201438j:plain

そして運転士になっていくシーマだが

 

f:id:anttiorb:20190825201446j:plain

しかしイリヤはある決断を

 

f:id:anttiorb:20190825201454j:plain