高校教師の赤鬼:小渕隆(堤真一)は、大学病院で、かつての教え子だったゴルゴ:斎藤智之(柳楽優弥)と再会する。 ゴルゴは高校2年で中退し、暴力や暴走で警察に捕まる荒れた高校生だった。 しかし今は工場で働き、妻の雪乃(川栄李奈)と息子のシュウと真面目に暮らしていた。
赤鬼は当時勤めていた高校の野球部は、甲子園まであと一歩だった。 赤鬼は部員である生徒に厳しく接していた。 甲子園という夢のため、赤鬼は何人もの弱い生徒を切り捨ていたのである。
ゴルゴが在籍していた時代は、甲子園に一番近いチームだった。 野球の才能があったゴルゴは、地道な基礎練習には耐えられなかったのであった。
数日後、ゴルゴの妻・雪乃がひとりで赤鬼を訪ねる。 雪乃はゴルゴが末期のガンだったと赤鬼に伝える。 余命は半年。 進行が早ければ3ヶ月だと。 骨に転移したガンは、まだ26歳と言う若さのゴルゴの全身を蝕んでいたのだ。
雪乃はゴルゴに告知をすることと、赤鬼に見舞いに来てほしいことを伝える。 その後、精神的に不安定になり死に怯えるゴルゴ。 その姿に赤鬼は、中退すると言いだした昔のゴルゴと重なるのであった。
ゴルゴは、自分が死んでも赤鬼は泣かないと言ったと雪乃はゴルゴに伝える。 そして赤鬼は、自分にとって最後の先生であることも・・・
これはちょっと身に詰まされるお話でした。
監督は兼重淳、「キセキ -あの日のソビト-」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14721720.html 以来の劇場監督作品となります。
物語は、ある日胃の調子が悪く病院に行った赤鬼こと小渕隆が、昔の教え子のゴルゴこと斎藤智之と出会うことから始まります。 結婚して奥さんの雪乃と一緒に待合室にいたゴルゴ、健康診断に引っかかったといって別れる二人。
しかし、雪乃がいきなり訪ねてきます。 そして彼女は泣き崩れ 「智ちゃんが死んじゃう!」と言い放つ。 彼は末期がんと診断され、誰にも相談できないといって訪ねてくる彼女に、正直困惑する赤鬼でした。
ゴルゴはなにかというと、赤鬼の話をするからだったんですが、実は彼は卒業をせず中退、その前には野球部さえも退部していたんですね。 彼は俊足好打のサード、誰もが才能を認める逸材でしたが、スタンドプレーに走る傾向がありました。 状況判断もできるということでしたが、赤鬼の厳しい規律とは合いませんでした。
そして刺激を与える為にレギュラー剥奪、外野手だった和田をサードにコンバートさせ、競わせることにするんですね。 そして和田は不器用でしたが、人一倍努力家で、赤鬼のいうことに忠実でした。
今作は、闘病記と、甲子園を目指す県の強豪野球部の二つの構成になっています。 そして闘病記のほうは、なかなかつらいパートでしたね。 ステージが進んでしまっての癌は、痛みとの戦い、主人公は骨にまで達していっているということで、痛みは半端じゃないと思います。 “手遅れ” という状態は本人だけでなく家族、そして見舞う者の心も壊していくんですよね。
あんなにかっこいい最後は正直出来ないと思いますが、気持ちはわかる闘病記でもありました。
雪乃と子どもを授かり幸せだったゴルゴだったが
夫の末期がんに苦悩する雪乃
そして赤鬼こと小渕は昔を思い出す
ゴルゴこと斎藤は赤鬼とは合わなかったのだが
彼が向かった先は
そして最後の時