1972年6月17日土曜日の午前2時30分。 ワシントンのウォーターゲート・オフィス・ビルの5階にある民主党全国委員会本部に5人の男たちが侵入した。 彼らは来るべき秋の大統領選挙にそなえて必勝を期する民主党のキャンペーンを攪乱するために、秘かに雇われた者たちだった。
この5人は元CIAの情報部員と大統領再選本部の現役の対策員で固められていた。 仕事は手抜かりなくおこなわれる筈であったが、ビルの警備員に見咎められ、たちまち警察に通報された。 そして不法侵入の現行犯で逮捕された。
まだ入社して9カ月になったばかりのワシントン・ポスト紙の記者ボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は、ウォーターゲート事件が起きてから7時間後に、上司のハワード・ローゼンフェルド(ジャック・ウォーデン)に呼ばれた。 一方、同じポスト紙のベテラン記者カール・バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)も、この事件に興味を示していた。
その朝、彼は現場にいってきた記者たちのメモをコピーし、局長のハワード・サイモンズ(マーティン・バルサム)や主幹のブン・ブラッドリー(ジェイソン・ロバーズ)に、もう少しチェックしてみたいと伝えた。 そしてバーンスタインは、ウォーターゲート・ビルのあらゆる人たち--事務員はもとより、夜警、掃除婦など--に片っ端から電話をかけ始めていた。
政府上層部のスポークスマンたちはこの不正侵入行為に非難を集中させた。はじめのうちはこの侵入事件は狂信者たちの単独犯によるもので,リチャード・M・ニクソン大統領の公式の選挙運動本部から認められたものでも、援助を受けているものでもないと思われ、ホワイト・ハウスの人間とはまったく無関係と思われていたのだ。
その日の午後、裁判所では保釈が認められるかどうかを決定する予審が行われたが、ウッドワードはその場に刑事犯の弁護士ではない政府筋の弁護士たちが来ているのに好奇心をそそられた。 さらに、侵入者の1人、ジェームズ・W・マッコード・ジュニアが、最近CIAを辞めたことを認めたとき、ウッドワードはこの事件がホワイト・ハウスから発表されているような政治狂信者の仕わざとか単なる三流の侵入事件にとどまるものではないことを感じた・・・
監督はアラン・J・パクラ、私は彼の作品は 「ペリカン文書」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/5955217.html が好きですね。 98年に事故で他界していますが、名監督だと思います。
物語は、ウォーターゲート事件が起こったところから。 始めは、そんなに大きな事件だとは思えなかったこの不法侵入でしたが、これがアメリカ全土を揺るがす事件に発展していきます。
そこに食いついたのが、ウッドワードとバーンスタインでした。 しかし調べれば調べるほど、ブロックが強くなって行きますが、そこに現れたのが謎の人物 “ディープ・スロート” ですね。 本名を名乗らず、事件の真相を暴くヒントを出し始める男、しかし彼は直接いわず、手がかりをつかむ為の方法しか示唆してくれないんですが。
今作は、やはり任期中に辞任した唯一の大統領・ニクソンを追い込んでいくところが面白いですね。 やっと証言してくれる人物が現れるところの描写がたくみです。
また 「X-FILE」 好きの私は、「ディープ・スロート」 という名前がなにか懐かしいところでしたが。