anttiorbの映画、映像の世界

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ちいさな独裁者

2018年作品、ロベルト・シュヴェンケ監督、マックス・フーバッヒャー ミラン・ペシェル フレデリック・ラウ ワルデマー・コブス出演。

1945年、薄暗い荒野に1人の男が走っていく。 後を追う軍用車の兵達は、銃口を構え 「何処いきやがった、ブタ野郎!」 と叫んでいた。 泥だらけの兵士ヴィリー・ヘロルト(マックス・フーバッヒャー)は、命からがら部隊を脱走し林へと逃げ込んだ。 追いかける兵達の声が林の中に響く中、ヘロルトは巨木の根元の穴に入り込み、息を潜めて彼らの声が消えるのを待つ。
彼らが去ってしまったことを確認し、当て所なく無人地帯を彷徨う。 途中道端で、同じように行き倒れた脱走兵に会い、彼を人のいない小屋に運びこむ。 2人は、夜近くの農家に侵入し食料を略奪する。 暗がりの部屋の中に、首を吊るされた脱走兵が見え、その横に 「略奪者は、処刑に処す」 と書かれた看板が掲げてあった。ベットで眠りから覚めた主人と家族がやってきて、もう1人の脱走兵を銃殺している間に、ヘロルトは逃げるのだった。
極度の飢えに苦しみながら、ヘロルトは道端に打ち捨てられた軍用車両を見つける。 中に入るとスーツケースがあり、ヘロルトはナチス将校の勲章が散りばめられた軍服を発見し、あまりの寒さにその軍服を身に纏い、靴も履き替える。
そこに突如現れた生真面目な上等兵フライターク(ミラン・ペシェル)は、立派な軍服姿のヘロルトに敬礼し 「部隊から逸れました。 大尉、お供させてください」 と言いながら、フライタークはヘロルトを大尉と思い込み、軍用車を運転する。
小さな村の酒場に入り込み大尉に成りすましたヘロルトは、ご馳走の代わりに店主の求めに応じ略奪者を射殺する。 あくる日、ヘロルトは農家に立ち寄ると、粗暴な兵士キピンスキー(フレデリック・ラウ)とその手下達が好き放題に振舞っていた。
「私は総統の命令の下で、後方の動静を調べている。 私の部隊に入れ」 とヘロルトは架空の任務をでっち上げ、キピンスキーらを配下に収める。 ヘロルトは、彼らの軍隊手帳に 「特殊部隊H」 と記入し、さらに道中出会った兵士たちを、言葉巧みに騙して服従させていく。
脱走兵を取り締まる検問所で、ヘロルトはかつて逃走中に自分を追い回したユンカー大尉(アレクサンダー・フェーリング)と鉢合わせしてしまう。
「一度会ったヤツの顔は、忘れない」 とユンカー大尉はヘロルトに意味深な言葉を残するが、彼はヘロルト親衛隊を荒野に建つ粗末な収容所に連れて行く。 警備隊長のシュッテ(ベルント・ヘルシャー)がヘロルト親衛隊に挨拶をして、収容所の実情を説明する。
「脱走兵や略奪者がどんどん増えて、司法局に裁判が終わるまで保護するように言われています。 食事も我々と同じようにですよ。 すぐに始末すべきですよ、総統にとりなしを!」 とシュッテは苛立ちを募らせて、ヘロルトに訴える。
ヘロルトは 「“略奪者は、処刑に処す”だ」 と、司法部と繋がりのあるハイゼン所長(ヴォルフラム・コッホ)の反対を押し切り、シュッテの工作もありゲシュタポの全権委任をヘロルトは取り付けた。
ヘロルトは、即決裁判による囚人たちの処刑を実行に移すのだった・・・

これはコメディの範疇でしょうか? それにしては凄まじい殺戮シーンが。
主演はマックス・フーバッヒャー、私は初めて見る俳優さんですが、好演でした。
フライターク役はミラン・ペシェル、今作で彼も初めて見ます。
フレデリック・ラウは、クレジットは多くの出演作がありますね。 記事にした作品は有りませんでしたが。

物語は一人の脱走兵が、追いかけられています。 しかし木の根元に逃げ込み何とかかわしたヘロルト、そしてさまよった先に見つけた軍用車。 無人軍用車には大尉の制服が入っていて、ちょっとした果物も。 何とか生き返ったヘロルトのところに、部隊とはぐれた兵士・フライタークが現れ行動を共にすることになりました。
そして大尉と称して、どんどん部隊を大きくしていき、検問所から警備隊に合流します。そして収容所ではある問題を抱えていました。

今作は、実話ということですね。 ヘロルトは隊から逃げ出した脱走兵でしたが、なんとドイツの最後の戦いの指揮を取るというか、捕虜の虐殺、脱走兵の銃殺を積極的に行っていきます。
なにか皮肉のような展開ですが、どんどん偽の出世をしていく展開に、シニカルな笑いさえ出てくるお話でしたが、ナチスドイツの最後のこっけいなお話でした。

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脱走兵を追いかける軍用車

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そして彼は無人軍用車を見つけ幹部の制服を拝借する

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そして大尉に成りすまし

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部下を増やしていく

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そして収容所で彼は・・・

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