都内にある中堅メーカー・東京建電。 営業一課の万年係長・八角民夫(野村萬斎)、通称 “居眠りハッカク” はどこの会社にも一人はいる所謂ぐうたら社員。 ノルマも最低限しか果さず、定例の営業会議では傍観しているだけの八角は、トップセールスマンである課長・坂戸(片岡愛之助)からその怠惰ぶりを叱責されるが、一人飄々と毎日を送っていた。
一方、甘えたサラリーマン根性の部下は完膚なきまでに叩き潰してきた社内で絶対的存在の営業部長・北川誠(香川照之)が進める結果第一主義の方針のもと、部員たちは寝る間を惜しんで働くのだった。
そんな折、万年二番手に甘んじてきた営業二課長の原島(及川光博)が新課長として着任。 だが、会社の顔である一課で成績を上げられず、原島は場違いすら感じていた。 やがて、パワハラ騒動に隠されたある謎が、社員たちの人生、そして会社の存在をも揺るがし始めていく…
原作は池井戸潤、以前ドラマ化になっていたんですね。
主演は野村萬斎、「花戦さ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14965248.html 「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14109287.html を記事にしていますが、今作でどういう演技を見せてくれるのかが楽しみでした。
物語は企業における謎の人事のお話です。 八角と書いて “やすみ” と読むんですが、みんなからは居眠りハッカクと呼ばれて、馬鹿にされている万年係長です。 しかしある意味キモが座っているので、上司の罵声も全く気にしません。
そんな彼が、罵られた上司をパワハラで訴えます。 周りは多少言い過ぎてはいるものの、やり手の営業部長のほうが分がいいと思われましたが、なんと左遷されたのは坂戸のほうでした。 いやそれだけではなく、彼に関わった人間はことごとく飛ばされていくんですね。
まあこれは、企業ものとしてはよくある話、企業の論理もある意味わかりますが、現代では許されないこと、しかしエンドロールというか、八角が最後に語るシーンが秀逸でした。
日本人の本質を、良い面と、悪い面であらわしています。 あれがあったからこそ、この作品が締まったと思いますが。