2017年作品、デヴィッド・ロウリー監督、ケイシー・アフレック ルーニー・マーラ出演。
ミュージシャンのCと妻のMは、アメリカ・テキサスの郊外にある一軒家で幸せな結婚生活を送っていた。 ところが、ある日C(ケイシー・アフレック)が交通事故に遭い、早過ぎる死を迎えてしまう。
病院に駆けつけたM(ルーニー・マーラ)は、すでに冷たくなってしまった夫と対面し、その死を確認する。 茫然自失のMは、Cの遺体に白いシーツを被せて、病院を去っていく。 その直後、Cの遺体はシーツを被ったままの状態でむっくりと起き上がり、愛する妻のいる自宅へと帰っていく。
しかし、Mには幽霊となったCの姿は見えない。 Cはどうしてやることもできず、悲しみに暮れる妻を見守り続ける。
そんな日々がしばらく続いた後、このままではいけないと感じたMは、前向きに生きるための決断をする。 思い出の中に取り残されたCは、妻への未練を抱えながら何十年も彷徨い続けることに。 長い旅路の果てに、幽霊となったCが行き着く先とは?
これは不思議な心霊ドラマでした。
監督はデヴィッド・ロウリー、前作は 「ピートと秘密の友達」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14639786.html でした。 明るいファンタジーでしたが、今作とは正反対の趣でした。
主演というか登場人物は基本二人、ルーニー・マーラは、近作は 「ローズの秘密の頁」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15380643.html となりますが、これも悲しい作品でした。
そしてケイシー・アフレック、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14926205.html は秀作でした。 悲しみのわけが中盤でわかるんですが、それがなんとも、心に刺さる作品でしたね。
さて今作は、死んだ後、この世にとどまる幽霊の作品です。 交通事故、それも家の前で起こして、妻がそれを発見してしまう。 それだけで辛い事なんですが、妻は病院で遺体と最後の挨拶をします。 その妻の寂しい、悲しい気持ちに反応したんでしょうか?夫は向く李と起き上がります、でもそれはシーツをかぶった形で。
もちろんそれは幽霊なんですね。 そこから妻のいる家に向かう夫の幽霊。 そして妻を見守っていくんですね。 しかし、妻は新しい人生を送る決心をしてその家を離れていくんですが、その時にあるものを家に残していくんですね。 そしてそれが夫の幽霊はこだわり続けます。
これは大変不思議な作品、死んだ後どうしても心に残ると、この世に踏みとどまってしまうってことでしょうね。 それを妻が残してしまった事から、夫はこの家にとどまり、時間はどんどん経っていくんですね。
今作ももうひとつの特徴は、死ぬと時間の概念がなくなるということですね。 そこもなかなか興味深いところでした。