anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

蝶の眠り


50代にしていまだ美貌を保ち、若い読者にも根強いファンを持つ売れっ子の女流小説家・松村涼子(中山美穂)は、いままで人前に出ることはなかったが、大学で講師として小説を学生に教えるようになった。
人気作家であり、美しい涼子の授業は、彼女を推薦した石井(勝村政信)も期待をしていて、学生のアンナ(石橋杏奈)も憧れの存在に教えてもらえると張り切っていた。初講義での彼女は生き生きとしていて、終わった後食事に行くが、連れて行ったもらった居酒屋で、そこであるバイトをしていたのが留学生のチャネ(キム・ジェウク)だった。 彼は大学にも行かずずっとバイトをするようになっていた。
どうして彼女は今までと違った生活をするのか? 彼女は離婚して、今は松村姓になっている。 しかし彼女の今までの作品は綾峰涼子での作品ばかり、彼女は松村姓での作品を書こうと躍起になっていた。
チャネは居酒屋の控え室を下宿代わりにしていたが、寝ている とけたたましくドアを叩く音がする。 涼子だったが、彼女は大事な万年筆をここで失くしたと言ってくるのだった。 一生懸命探すが出てこない、しかしそれは後で店長の大村(永瀬正敏)が拾っていた。
さっそく彼女の家に届けるチャネだが、そこで彼女から犬の “トンボ” の世話を頼まれる。 トンボはチャネに懐いているのを見て、涼子はもうひとつチャネに他の仕事を頼むのだった。 それは膨大な書籍の整理だった。
しっかりと作者別、年代別になっているのに。 しかし彼女は偶然性のある並べ方をして欲しいとお願いをするのだった。
チャネは一生懸命、それに没頭し、美しい色合いの配置にする。 さらに涼子は、チャネに今創作している小説についても、あるお願いをするのだった。 彼女はパ ソコンを使わず手書きで原稿を書いているが、手に痺れがあり、これからはテープに吹き込むのでそれを彼に原稿に起こして、後で添削をするというやり方だった。
しかしその時彼女は、最後の作品なるときになることを言う。そう彼女は自分が遺伝性のアルツハイマーに侵されていることを知っているのだった。 人生の終焉と向き合うことを余儀なくされた涼子は、“魂の死” を迎える前に、執筆活動以外の何かをやり遂げようと、大学の講師を始めたのだった・・・

これは最近見た 「明日への記憶」 という作品と同じ、若年性アルツハイマーという病の恐ろしさのお話です。
監督はチョン・ジェウン、初めて作品を見ますが、テーマといいキャストといいよかったですね。
主演は中山美穂、最近も作品に積極的に出演していますが、名作は 「Love Letter」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7277710.html でしたね。 もっと彼女の出演作を見るべきだと思いました。
そしてキム・ジェウク、日本語が上手いですね。 幼少期に日本で暮らしたからだそうです。 彼を映画で見るのは初めてでした。

物語は、アルツハイマーになってしまった一人暮らしの女性のお話。 いきなり大学の講師をはじめる涼子、そしてとてもエネルギッシュな講義を始めるんですね。 彼女は自分の最後を悟っているんですね。 しかし、そこに現れたのが純粋な留学生のチャネでした。 彼は留学生で、そして自分で学費を稼いでいました。
しかし学費を稼ぐためにバイトをして、講義も出るんですが疲れて寝るばかり、そしてとうとう留年を重ねてしまうんですね。 何のために日本に来たのか? おそらく自問自答の日々、そして流されつつあるところでした。
彼女との出会いも運命的な感じがしますね。 そしてとうとう彼女の家に住み込みで彼女の捜索の手伝いに没頭して意気、そして二人は男女の関係になっていくんですね。
若年性のアルツハイマー、ただ記憶が薄くなっていくだけでなく、身体機能も犯され、3年くらいで死にいたる時もある恐ろしい病気なんですね。 原因もなかなか究明されず、治療法もない難病ですね。
ただ今作は、大変美しい、でもそれを感じているのかわからない涼子の表情が印象的でした。

イメージ 1
大学の講師をし始めた涼子

イメージ 2
アンナも彼女の講義を楽しみにしている

イメージ 3
そしてチャネは彼女の家で仕事を頼まれる

イメージ 4
涼子の元夫・龍二

イメージ 5
彼女は病にかかっていた

イメージ 6