anttiorbの映画、映像の世界

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ミュージアム ‐序章‐

2016年作品、白石晃士監督、三浦誠己 川島鈴遥 森田想 河屋秀俊 細川佳央出演。

ジャーナリストの九堂仁(三浦誠己)がビデオカメラに向かって “幼女樹脂詰め殺人事件” の全容を語る。
平成25年5月25日、東京都北区。 スーパーで母親と買い物中だった三上由美(当時4歳)が行方不明となり、1ヶ月後の6月25日、住宅街の自宅前にウレタン樹脂で固められた遺体が置かれる事件が発生した。 2か月後、日の出レジン工業でウレタン樹脂を担当し、児童買春の前科があった大橋茂(当時29歳)が逮捕され、裁判員裁判の結果死刑判決を受け、精神疾患が悪化、警察病院で自殺した事件だった。
九堂は、証拠は本人の自白のみ、弁護側も虚偽の自白を強要されたと主張した事から冤罪の可能性を疑い、事件を担当した松田警部補(中野英樹)を夜間自宅マンション前で待ち伏せし、ハンディカメラでの突撃取材を試みる。
帰宅した松田は、カメラを向けいきなり否認してると死刑になると脅迫した噂は本当かとしつこく迫る彼に激怒して暴行、逆に以前事件をでっち上げたヤラセの九堂かと罵倒し去って行く。 地べたに倒れ 「これ使うぞ!」 と悔しがる九堂に、カエルマスクの男が声を掛けメモを渡す。 それには “事件の秘密を教える 自宅に戻れ” とあり、慌てて男を追うが逃げられてしまう。
団地3階の自宅は荒らされ高校生の娘伊織(川島鈴遥)はおらず、学習机の上には耳かけ式のヘッドセットとスマホが置か れ “これをつけろ” のメモがあった。 間もなくスマホが鳴り、狭く暗いブロックの部屋の隅で、椅子に縛られ猿ぐつわをかまされ呻く伊織の姿が映る。
そこにカエルマスクの男が顔を出し、「“~樹脂詰め殺人 ”の大橋は冤罪で作者は僕だ、僕の言う事に自分の意志のように見せかけて従え、僕と話している事を知られるな、さもなくば娘を殺す、全て監視している」 と脅す。 彼の姿は自宅の方々に仕掛けられた隠しカメラで撮られていた。
九堂は、取材は止める、自分は殺されてもいいが伊織を助けてくれと言うが、男は娘を殴り 「九堂の命は関係ない、娘の生死は君次第だ」 と言う。
彼はやむなく了解し、男は全てをカメラで撮れ、僕と君とで “作品” を創るんだと言い、彼が関わった事件の切り抜きやDVD作品などを見せ、「俗悪だが目的のために手段を選ばないのは評価する、けれど僕が目指すのはこんな三流作品ではなく傑作だ、もう始まってる、本番中」 と言い、スマホを撮影状態にして胸ポケットに入れさせ、ハンディカメラも併用して出発しろと命じるのだった。
男は、ボックスワゴンに乗り込む彼に細かく指示し、自前のカメラを彼に向けさせ、車内の隠しカメラや車載カメラで監視してナビをし、郊外の広いトンネル内で車を停めさせる。
男は、間もなくそこにやってくる女子高生佐土原美保(森田想)を誘拐しろと指示し、スマホでハサミをちらつかせ、さもなくば伊織の指を切断すると脅してくる。
九堂は逡巡しながらも美保を捕まえ、ワゴンの後部座席に用意したガムテープで縛り誘拐するのだった…

ミュージアム」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14554543.html 公開前にWOWOWで放送されたスピンオフドラマです。
監督は白石晃士、「不能犯」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15368678.html が近作ですね。この作品を撮っていたのは知りませんでした。
主演は三浦誠己、「火花」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15256645.html では神谷の相棒の大林役をしていました。
娘役は川島鈴遥、「望郷」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15148079.html では苛められていた少女役をしていました。

今作は本編のカエル男事件の前章的なお話になっています。 数々の残忍な事件を行う前の、練習のような感じですね。 ターゲットになったのは、強引な取材で映像作品を出している、ちょっと下衆なジャーナリストでした。 ただの突撃取材ではなく、映像を収め、どうやら闇で売っている、そんな商売があるんでしょうか?
冤罪の疑いのある事件を担当した警部補に突撃取材をして殴られた直後に、現れたカエル男、そしてこの後彼はカエル男の言いなりになっていきます。
娘が誘拐され、指示に従わないと拷問の上殺される、彼に選択の余地はありませんが、それは過酷な要求となっていきます。
これはPOVのような形で撮られている手法ですが、完全にはそうなっていません。でもこの手が得意な白石監督が起用されたのはそういう事からなんでしょうね。
カエル男がどんなに残酷か、それがわかるプロローグ的な作品でした。

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彼の前に現れたカエル男

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娘が誘拐、監禁されている

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画像が送られてくる

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しかし彼も誘拐をすることに

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