1940年5月9日(木曜日)、ヒトラーは東欧および、北欧諸国を制圧してベルギー国境に軍を待機させていた。
野党の追及は激しく、責任を追及を強烈にしてくる。 自国の防衛の強化を怠り、イギリスをナチスドイツの脅威にさらしたと、イギリスでは内閣不信任決議が出されると、チェンバレン首相(ロナルド・ピックアップ)の後任選びが始まる。
チェンバレン首相の 「野党が認めるのは1人しかいない」 という言葉に、誰もが思い浮かべた “ある人物に最悪の選択” と顔を曇らせるのだった。
5月10日(金曜日)、新聞一面で 「首相が辞任」 と公表 された朝、海軍大臣ウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)のもとに、新任のタイピストのエリザベス・レイトン(リリー・ジェームズ)が訪れる。
ベッドに座ったままでの朝食を前に葉巻をふかすチャーチル。 彼はエリザベスが入室するや 「フランス大使殿、ドイツがオランダ国境を突破すれば…」 とすぐにタイプすることを命じてくる。 あまりにも横柄な態度にびっくりするレイトンだった
だがすでにベルギーが侵攻されてしまったこと知ると、不機嫌になったチャーチルは、エリザベスが正しく言葉を聞き取れていないことに腹を立てる。 「役立たずめ!一発で聞き取れないタイプライターはいらん!」 と怒鳴り出した。
エリザベスが泣きながら部屋を出ると、チャーチルの妻クレメンティーン(クリスティン・スコット・トーマス)が彼女に声をかける。 「彼は人を怯えさせるのが得意なの」と優しくなだめると、夫チャーチルのもとに向か言うのだった。
「あなた最近マナーが悪いわ。昔より不親切。もし首相に任命されたら、嫌われ者になってほしくないの」 と諭し、「とっくになってる」 と答える夫チャーチルに、「権力者は思いやりを持たないと」 と妻は告げると、そこに一通の電報が届くのだった。
それはバッキンガム宮殿からのものだった。
そして長い戦争の闘いが彼に始まるのだった…
主演男優賞と、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したこの作品、初めて日本人がオスカーを取ったことで一躍大きくクローズアップされた作品となりました。
監督はジョー・ライト、「アンナ・カレーニナ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14290481.html 「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13615391.html を見ていますが、今回はぐっと社会派の歴史作品でした。
主演はゲイリー・オールドマン、とにかく凄いメイクでしたね。 目だけが彼で後はほとんどチャーチルでした。 「クリミナル 2人の記憶を持つ男」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14772123.html と、次の作品も見ましたがそれは悪役でした。
そしてリリー・ジェームズ、「ベイビー・ドライバー」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15103193.html ではヒロインのデボラ役、「高慢と偏見とゾンビ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14465313.html ではエリザベス役でした。
妻役にクリスティン・スコット・トーマス、「トゥームレイダー ファースト・ミッション」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15438366.html では次作に繋がる重要な役でした。
物語はナチスドイツの侵攻が始まり、ヨーロッパ全土に広がっていく時代から始まります。 最初はイギリス、フランスとも消極的な融和政策を取り、それに乗じてどんどんヒトラーが周辺国を攻め拡張していくんですね。 フランスが攻め込まれ、イギリス国内も先ずは政治の世界が熱くなりはじめます。
まずは、挙国一致内閣の必要性、もう戦時中はどこもそういう事なんですね。 しかし、だからと言って、チェンバレン、そしてハリファックスは力を持っており、彼らが与党を掌握している。 そして彼らは、穏健派で、あくまでも話し合い第一で徹底抗戦には反対なんですね。 さらにフランスが追い詰められていくと、イタリアを仲介させ、休戦を申し入れていく策を取り始めます。
今考えると、大戦を終結させたのは、アメリカ参戦が一番大きいですが、しかしイギリスがここで踏ん張ったのも大きい。 作品では、チャーチルが必死にルーズベルトを説得しているところも画かれています。 対岸の火事だったアメリカ、しかし太平洋で戦争が開始され、当事国になっていった。 英米連携のような気もしますね。
こういうイギリスの底力のような作品を観ると、やはりあの大戦前に、日英同盟を継続できなかった日本は痛恨の極みでした。
アメリカ万歳映画は多々見ましたが、イギリス万歳映画は、ちょっと珍しく感じますね。 この作品を観る前に 「ダンケルク」 を https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15133487.html 見ておくといいでしょう。