anttiorbの映画、映像の世界

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夢の中へ

2005年作品、園子温監督、田中哲司 夏生ゆうな 村上淳 オダギリ ジョー出演。

さえない役者、鈴木ムツゴロウ(田中哲司)は、タエコ(夏生ゆうな)と同棲中。 タエコは鈴木と同期の劇団仲間で、彼の役者人生に惚れて役者をやめ、彼との生活を始めたが、10年経ってもブレイクしない鈴木に愛想を尽かしている。
同期の劇団員の友人には、ユウジ(オダギリ ジョー)がいる。 鈴木は現在、三流劇団の女優ランコ(市川実和子)と恋仲になっている。 ランコは、この劇団のリーダー町田(岩松了)と関係があり、町田は鈴木とランコの仲をよく思っていない。
ある日のこと、鈴木は、次の舞台のために稽古に来ていた。 演出家(温水洋一)は、井上陽水の曲 『夢の中へ』 を、独り言のように口ずさんでいる。 誰もがこの舞台がうまくいくとは思ってはいない。 そこにきて鈴木の体調に異変がおこるのだった。 小便がしみるのだ。 鈴木はすぐに性病だと直感する。
女たらしの鈴木の頭には、2人の女の顔が浮かぶ。 ランコともう一人の女優、うつしたのはどちらなのか? 友人ケイジ(村上淳)に聞くが、彼にわかるはずもない。 ランコの劇団の劇団員と便所をともにした時、彼が小便を痛がっているのを見るにつけ、ランコが怪しいと思い追求すると、逆切れされ、家を追い出されてしまう。 自分の家に帰れば、タエコが家を出る準備をしている。
やぶれかぶれの一日が終わって、倒れこむように鈴木が眠ると、夢の中にテロリストの鈴木が現れ、肩に銃弾を浴びて血まみれに。 車内には彼を助けようとユウジやケイジ、タエコがいる。 皆テロリストの一員らしい 。
そしてその悪夢からさめる と、今度は取り調べ室。 そこにはおっかない鈴木の親父(麿赤兒)と、なぜか演出家もいる。 何の取り調べかもわからず、鈴木はただただ怒鳴られる。
次に目を覚ますと、タエコがいない。 タエコは友人(小嶺麗奈)の家へ逃亡していた。 鈴木は東京を逃げ出す口実として、同窓会に行くことを決意する。 そして実家に帰ろうと電車に乗っている最中も何度も夢を見て、鈴木はどんどん夢に侵食される。
夢の鈴木が 「今日ヘンな夢を見た」 という。 「俺、夢の中でしがない役者で、お前と同棲してんだよ」 とテロリストのタエコに言う。 また、変な男と女にもみくちゃにされたり、どちらが現実でどちらが夢なのか、次第に区別がつかなくなるのだった・・・

どれが夢で、どれが現実か? そういう 作品は結構ありますが。
監督は園子音、一番新しい作品は、「新宿スワンII」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14700944.html ですが、監督らしさは少ない作品でした。
ヒロインには夏生ゆうな、出演作としては 「THE CODE/暗号」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/2274906.html でした。

物語は売れない俳優の鈴木ムツゴロウのお話ですね。 なかなか俳優として芽が出ない彼ですが、もうそこそこベテランになっており、多少はテレビとかにも出演経験があるようです。 だから、女性には顔を知ってもらっているし、その中のタエコは、彼に期待をかけているんで同棲もしています。 しかし、だからと言って必死に役者をしているのではなく、ちょっと女にだらしないのが鈴木なんですね。
性病なのかもしれない! どうやらこの大きな不安が、現実逃避になっているのか、彼は二つの夢の中に入り込んでしまうんですね。 すぐに眠ってしまうのも、体調が悪いのか? その二つの夢は、決して居心地のいいもんではありません。
園監督らしい、長回しと、一緒に追いかける映像、2005年なんでそんなに古い作品ではないんですが、なんか初期作品との狭間のような仕上がりになっていますし、今売れている役者さんたちが総登場しています。
役者を見る目が肥えている監督だと、改めて思います。

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役者として停滞している鈴木

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ランコともいい中になるが

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しかし眠りたくなり

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変な夢を見始める

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そして実家に帰ることになるのだが

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