anttiorbの映画、映像の世界

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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ

2017年作品、石井裕也監督、石橋静河池松壮亮出演。

看護師として病院に勤務する美香(石橋静河)は女子寮で一人暮らし。 日々患者の死に囲まれる仕事と折り合いをつけながら、夜、街を自転車で駆け抜け向かうのはガールズバーのアルバイト。 作り笑いとため息。 美香の孤独と虚しさは簡単に埋まるものではない。
建設現場で日雇いとして働く慎二(池松壮亮)は古いアパートで一人暮らし。 左目がほとんど見えない。 年上の同僚・智之(松田龍平)や中年の岩下(田中哲司)、出稼ぎフィリピン人のアンドレス(ポー ル・マグサリン)と、何となくいつも一緒にいるが、漠然とした不安が慎二の胸から消えることはない。
ある日、慎二は智之たちと入ったガールズバーで、美香と出会った。 美香から電話番号を聞き出そう とする智之。 無意味な言葉を喋り続ける慎二。 作り笑いの美香。  店を出た美香は、深夜の渋谷の雑踏の中で、歩いて帰る慎二を見つける。
建設現場。 突然智之が倒れ、そのまま帰らぬ人となった。 葬儀場で二人は再会する。 言葉にできない感情に黙る慎二と、沈黙に耐えられず喋り続ける美香。 「俺にできることがあれば何でも言ってくれ」 と慎二が言うと、美香は 「死ねばいいのに」 と悲しそうな顔をした。
過酷な労働を続ける慎二は、ある日建設現場で怪我をする。 治療で病院に行くと、看護師として働く美香がいた。 「また会えないか」 と慎二が言うと、美香は 「まぁ、メールアドレスだけなら教えてもいいけど」と答えるのだった・・・

監督、そして脚本は石井裕也、「ぼくたちの家族」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13263159.html はなかなか重いけどいい作品でした。 今作の前 「バンクーバーの朝日」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12521856.html ではカナダでの日本人の戦中の話を描いていましたし、でも一番印象深いのは 「舟を編む」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9132432.html ですかね。 大辞典の作り方、長い年月と根気が必要な大変な作業という事を痛感させられました。
主演は石橋静河、どこかで見たような?と思った女優さんでしたが、この1年で 「PARKS パークス」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14900117.html  「密使と番人」 に出演しているんですね。 なんと父は石橋凌、母は原田美枝子という血筋なんですね。 今作は初主演という事です。
そして池松荘亮、本当にいろんな作品に出演する彼ですが、直前作は 「続・深夜食堂」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14563484.html になっちゃいますが 「セトウツミ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14275401.html の続編あったら続投して欲しい(^^)
この作品原作は、詩人で小説家の最果タヒの詩集が元になっています。 今作は詩集を物語にし、映画化することで、監督の石井氏が脚本を手掛け一本の物語にしたんですね。 その辺りを知らずに見ていると、各キャストのセリフが妙に、存在感を持っていることに気が付くようです。
会話というより、それぞれ自己主張というか、言葉をぶつけ合う、演技はまた別次元で展開しているという雰囲気を感じるんですね。
特に池松君と静河ちゃんのやり取りが顕著ですね。 その中に、今の世界のいびつ感、2020年のオリンピックの直前の現場、ある事象を取り上げる詩の持つメッセージをつなげたドラマってこういうふうになるのか? そんな感想を抱く作品でしたね。
難しい作品作りでしたが、役者さんたちの好演で、なかなかうまくドラマに仕上がっていたと思います。

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夜はガールズバーでバイトをする美香

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建設現場で日雇いをしている4人

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失業している父、実家のためだった

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3人はガールズバーで彼女と出会う

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慎二と智之、しかし・・・

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