アイドル・グループ、チャムから独立し、女優へ転身を考えていたセンターの未麻(岩男潤子)、ライブ会場で、今日が最後になるという事をなかなか言い出せないでいた。 意を決して話し始めようとしたその時、イベントにチャチャを入れる3人組がいて、警備の人間(大倉正章)と喧嘩になってしまう。
一緒のメンバーがなんとかとりなして、彼女の卒業が知らされ、最後の歌唱となり、ようやく卒業が公になった未麻、ライブを邪魔した3人はファンからバッシングを受け、立ち去っていくが、たった一人で彼らに向かって行った警備員は、少し笑って会場を後にするが。
事務所の社長・田所(辻親八)は、アイドル冬の時代と思っており、早く女優に転身した方が彼女のためだと思っていたが、マネージャーのルミ(松本梨香)はこのやり方 に猛反対をしていた。 実は彼女は元アイドルで、結局売れないで終わった存在だったから、どうしてもチャムに成功して欲しく、特に未麻への思い入れは大きかった。
社長のプッシュで、連続ドラマ出演をもらった未麻、しかし始めはほとんど登場シーンも無くセリフもたった一言だった。 社長は何とか彼女の出番を多くしようとするが、そしてとうとう重要な役回りをゲットした彼女は、その見返りにアイドル時代には考えられないような、大胆なレイプ・シーンを演じなければならなくなる。
それでも、元マネージャーのルミの反対を押しきり、役に挑戦する未麻。その甲斐あって、彼女の女優としての知名度は鰻登りに上がり始めるのであった。 しかしルミは今のチャムのマネージャーに専念し ていく。 彼女にとっては我慢できないことで悔し涙を流すのだった。
ところが、それと同時に彼女の身辺で怪事件が続発していく。 彼女には自分が書いていない掲示板があった。 “未麻の部屋” というサイトで、彼女はそれが実にリアルなのに驚き、はじめはこれも宣伝になると気軽に考えていたが、どう考えても事実で、誰かに見られているのではとうすら寒くなっていく。
さらにあの警備をしていた男がロケ現場に現れ、さらに自分の姿を見るようになり始めるのだった。 夢と現実の境界線がわからなくなり、そしてとうとう人が死ぬ事故が起こり始めるのだった…
今から20年前の作品ですが、当時のアイドル事情、そして永遠のアイドルを目指したり、夢破れたりが、しっかり描かれている作品でした。
監督は今敏、監督第1作ですね。 後1本ですね未見なのは。 見ているのは「パプリカ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7669159.html 「東京ゴッドファーザーズ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/6982793.html です。
そして松本梨香、そうですね、彼女といえばサトシですね! 「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15083300.html は秀作でした。
これはある意味どんな年代にもあった、行き過ぎたオタクの話かもしれませんね。 まだ20年前というと、どの家庭にもパソコンがあったとは言えない時代、主人公の未麻も、そういう事に詳しいマネージャーのルミから一から教わり、自分のサイトを見始めるんですね。 と言っても自分が運営しているわけではなく、おそらくコアなファンが立ち上げているサイトです。 それはやはりあの男なんですがね。
しかし警備の仕事で、熱烈なオタクの人間が、警備として採用されるってのは、なかなかリアルであり、ちょっと怖い気がしますね。 純粋に守ってあげたいならいいですが、逆に内部の状態もわか ってしまいますし、顔パスまではいかないでしょうが、出入りできる方法を学んでしまう可能性がありますからね。
お話は、自分の分身のような存在が現れてから、未麻は現実と、仮想、夢がどんどんあいまいになって行きます。 そしてとうとう決定的な事件から、この一連の事件の裏にある真実を知っていくんですね。
アニメとしてでなく、実写でも面白そうなサスペンスでした。
チャムのライブで
じっと見つめる男がいた
警備の仕事で入り込んでいるこの男
社長の田所は、彼女を女優にしていく
ルミはそれに反対をしていたが