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ボブという名の猫 幸せのハイタッチ

2016年作品、ロジャー・スポティスウッド監督、ルーク・トレッダウェイ主演。

ジェームズ(ルーク・トラッダウェイ)はロンドンの街でストリートミュージシャンとして暮らしていたが、ホームレスでヘロイン中毒者としてその日の食事にも事欠く、救いようのない生活を送っていた。
ホームレス仲間のバズ(ダレン・エヴァンス)と一緒にヘロインを使用する中だったが、彼は何とか立ち直ろうと、ソーシャルワーカーのヴァル(ジョアンヌ・フロガット)の助けを得て、更生プログラムに入ると思っていたが、空腹に負けてヘロインを摂取して、薬物中毒を起こして病院に担ぎ込まれる。
呆れるヴァルだったが、今度こそという彼の必死な願いに何かを感じ、住むアパートを手配してヘロインを抜くことを約束させるのだった。 そこは今まで住むとこ も無く 、雨が降ってきたらただ濡れるだけの彼にとっては天国のような環境だった。
その夜、一匹の猫が迷い込んできた。 餌をあげて外に出そうとしますが、出ていかなかったので、一晩保護して翌日飼い主を探すことにする。 しかし近所にはその猫を知っている、飼っている人はいなかった。
翌朝、外に放してやるが、その晩、ジェームズがうちに戻ると猫が待っている。 しかも他の猫と喧嘩でもしたのか、後ろ足に大きな傷があった。
驚いたジェームズは助けを求めて周りを見渡し、一人の女性(ルタ・ゲドミンタス)がうちの中に入ろうとしているのに気がつく。 彼女は以前、犬をたくさん連れており、もしかしたら動物に詳しいととっさにひらめいたジェームズは、彼女に助けを求める。 いかにもみすぼらしく汚い身なりのジェームズに警戒をしていた彼女はベティといい、傷を見せるとすぐに家に入れてくれる。
応急処置をするが、これはしっかり獣医のところに行かせないとダメと言われ、紹介を受けた無料の診療所に行く。 しかし薬代はかかってしまい、なけなしの金を払うジェームズだった。
ベティはその猫にボブという名をつけてくれる。 しかしこの騒動で、ジェームズは薬局に行きヘロインのを抜くための薬・メタドンを1日抜いてしまい、さらにヴァルとの約束も行けなくなってしまう。 必死に猫の話をするジェームズ、しかしお世話になった女性とはまだあまり親しくならないよう諭されるのだった。
そんなある日、いつものように路上で歌いに行くとき、なんとボブが付いてくるのだった。 バスに乗っても人気者のボブ、そしてボブがいることでライブでお金をくれる人が激増したのだった。
今まで汚いものを見るように彼の歌を聞いていた人が一変し、ボブ見たさにお金をくれ、写真も撮って欲しいといわれる。 思わぬ稼ぎが入ったボブに、彼はボブのため にちょっと奮発した猫缶を買うのだった。
そして二人の生活が始まっていくのだったが…

もうこれは予告編から絶対行こうと決めていた作品でした。 もちろんこれも実話ですね。 ジャンキーから立ち直った路上ミュージシャンのお話です。
監督はロジャー・スポティスウッド、今年たまたま見た 「テラー・トレイン」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14611514.html の監督をしていますが、売れ始めたのは90年代以降の監督、しかしこういう作品を撮るのはちょっと意外な印象を受けます。
主演はルーク・トレッダウェイ、私が見た作品、記事にしているのは 「アタック・ザ・ブロック」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/6079220.html ですね。 そして彼を助けてくれる隣人役でルタ・ゲドミンタス、私は初めて見る女優さんですね。
そしてカウンセラーのベティ役でジョアンヌ・フロガット、「おみおくりの作法」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13606384.html でケリー役をしていましたね。
物語はヘロイン、ドラッグで身を持ち崩してしまい、家族から突き放された或る一人の男の話。 自業自得なことは自分自身が一番よくわかっているジェームズ。 そして彼はまずヘロインを抜こうとするんですね。 そのために服用する薬がメタドンというんですね。 私は知りませんでしたが、鎮痛剤で日本でもある薬。
ヘロインの常習者に服用され、毎日飲まないといけないようです。 1日でも抜くと禁断症状が出るだけでなく、ヘロインに戻ると中毒を起こし、最悪の場合は死に至るそうですね。
またメタドンも常用性があり、これを抜くことはヘロインより難しいとさえ言われているようですね。 となると、ヘロインは抜けたがメタドンが抜けなくなるという、一種ジレンマになってきますよね? これがこの作品で語られているテーマの一つですね。
健常者からすると、ヘロインを抜いたのは良いが、メタドン常習者、結局ジャンキーなんじゃないの? と思われてしまうんですね。
住むところはヴァルがなんとかしてくれた。 しかし生活はどうするのか? そこに現れたのがボブでした。 本当にボブの存在は天使であり、守護者であり、かけがえのない友でしたね。
はじめは飼う余裕なんかないと思っていたジェームズでしたが、彼がもたらしてくれたお金、そして安らぎ、かけがえのない存在だという事がだんだん沁みてくるとともに、妬まれてもくるんですね。
これは本当にボブの可愛さと、二人の絆に大きな感動をする作品、ねこ大好きな人向けだけでなく、ドラッグという大きなテーマも持った作品でした。

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路上生活をしているボブ、たまたま会った父に恵んでもらう

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そんなジェームズに住むところを世話してくれたヴァル

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そんなとき、現れた茶トラ猫

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傷を受け帰ってきてベティに助けられる そしてボブと名付けられる

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そしてある日ボブが付いてくる

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ボブは大人気になる

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