anttiorbの映画、映像の世界

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ジャージの二人

2008年作品、中村義洋監督、堺雅人、鮎川誠出演。

会社を辞めたばかりの32歳の息子(堺雅人)は、54歳のグラビアカメラマンの父(鮎川誠)に誘われ、北軽井沢の別荘に向かう。 父の飼うシベリアンハスキーのミロも一緒。 別荘というと聞こえはいいが、実態は虫が出る上に、携帯の電波も入らない山奥の山荘だった。 二人はそこで、古着のジャージを着て何もしない時間を満喫する。
ここにはジャージがいっぱいあった。 今は亡き祖母が集めていたのだった。 父はひたすらTVゲームで麻雀をし、息子は小説を書こうと持参した原稿用紙に一文字も書けずにいる。 隣の遠山(大楠道代)が顔を出しに来るが、決して誘っても家には入ってこない。
買い出しに町のスーパーに行き、大量のトマトを買って来てしまうが、遠山にも、他の人にもトマトをもらってしまう。 食卓はトマト三昧なのだが、料理法はただスライスするだけ。
息子には浮気をしている妻(水野美紀)がいた。 しかし離婚するまでには至っていないし、夫婦関係は続いていた。 田んぼのあぜ道を見ろを散歩させていると、女子中学生が右手を上げていた。 挨拶をしているのかと返すが、どうやらそうではないらしい。 そこは唯一ここら付近で携帯の電波でアンテナが3本立つポイントなのだった。
しかしその帰り道、息子は道に迷ってしまう。 熊が出る看板が急に怖くなった時、父の車が近づいてきた。 父の友人岡田(ダンカン)が乗っていて、訪ねてきたのだった。 そんな緩い毎日が過ぎていく。
一年後 、二人と一匹は再び別荘へ向かう。 今回は浮気をやめた息子の妻もいっしょだった。 三人は揃ってジャージを着るが、妻はしっかり自分のジャージを持ってきていた。 息子と妻の間はまだギクシャクしていた。 そして、妻は仕事があるといって二日後に帰ってしまう。 来年も来るつもりなのか、ジャージは置いたままで。
入れ違いにやってきたのは父の娘、花ちゃん(田中あさみ)。 息子にとっては母が異なる妹だった。 花ちゃんは夏休みにビデオを40本見ると言い、レンタルショップでビデオを借りたものの、ビデオデッキがない。
ビデオデッキを持っている遠山に借りてくるが、ピアノの先生の訃報が入り、花ちゃんは東京に帰ることになるのだった…

秀作 「ゴールデンスランバー」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/3339295.html の2年前の作品、堺雅人とのコンビはまずこの作品だったんですね。 主人公に名前はない設定ですが、この父役の鮎川誠の口癖が何とも面白いんですよね。 芝居というか、素のままというか(^^)
中村義洋監督作品の近作は、「殿、利息でござる!」  https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14150536.html 「残穢 -住んではいけない部屋-」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13872376.html ですが新作は時代劇ですね。
堺雅人は、年末に公開予定の作品があるんですね。 これが実に楽しみにしているんですが(^^)
さて物語はこの後も淡々と進んでいきます。 しかしほんの少し、彼らの物語は進んでいくんですね。 父はまた仕事をする気になりますし、息子はここに残る決心をします。 はたして小説は書けるのか?
それも何となくですが、彼にとっては夫婦間の決着がすべてなのかもしれませんね。

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まずはたくさんあるジャージを選ぶ

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スーパーで買出し

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ただパンとトマトだけの食事

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アンテナ3本は一箇所だけ

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妻もやってきて

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次は花ちゃんが

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