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たたら侍

2017年作品、錦織良成監督、青柳翔主演。

戦国時代末期。 奥出雲にあるたたら村では、たたら吹きという独自の製鉄技術が古より伝わってきた。 ここで作られる玉鋼と呼ばれる鉄は純度が高く、1000年錆びないとされている。 伍介(青柳翔)はその技術を受け継ぎ、たたら吹きを取り仕切る村下(むらげ)の長男として生まれた。
父の弥介(甲本雅裕)が祖父・喜介(高橋長英)の跡目を継ぐ儀式が行われ、いずれは受け継ぐ伍介と共に、たたら吹きを行う。
製造された玉鋼をを運ぶために、村長の長男・平次郎(豊原功補)が警護のもと、村を出発した。 平次郎は伍介や村長の次男の新平(小林直己)たちに剣術の稽古をつけている村の兄貴分的な存在だった。
ある時、鋼を目当てにした山賊たちに積み荷が襲われる。 知らせを聞いて伍介たちが助けに向かうが、目の前で平次郎は斬り殺され、伍介たちは何もできなかった。 この村には侍という存在は誰もいない。 武器は木刀のみであった。
村を守るために武術の腕を磨こうと、幼なじみの新平と共に訓練に励む伍介だったが、このままでは良いのか? という疑念は一向に張れなかった。 村下である父は、たたら吹きの継承者である伍介を咎めずに、自らの鉄作りを、背中で教えていく。
そんな中、村に惣兵衛(笹野高史)という商人がやってくる。 彼が言うには、今の戦は鉄砲の時代となり、良質な鉄が求められている。 そのためにたたら村でできる玉綱を買いたいと言ってくる。
しかし村長の長次郎(山本圭)は、今までのお客意外に玉鋼を売る余裕はないと言って、丁重に断るのだった。 惣兵衛は驚いた表情を見せ帰っていくが、伍介は惣兵衛を呼び止め、村を守るにはどうしたらいいかと尋ねるのだった。
惣兵衛はしばし考えたのちに、伍介に見聞を広げることを言い、村を出て、世界を見ることを促す。
伍介は言い名付けのお國(石井杏奈)に村を出ることを告げ、言われた船着き場に行き、惣兵衛の手配の通り川を上っていくのだった。 そして戦国の世を彼は身をもって体験していくのだった…

監督は錦織良成、前作は 「渾身KON-SHIN」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8345165.html その他で観たのは 「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/1676974.html ですね。
主演の青柳翔は、「渾身KON-SHIN」 でもコンビを組んでいました。
物語は奥出雲の玉鋼にまつわるお話ですね。 非常に純度の高い鉄を古来から作っている集落、しかし時代が激変したことによって、この玉鋼を狙う輩が、じわじわと入り込んでくるお話です。
そしてこの集落は以前にも狙われていたことがあり、ここを影となり守っていたのが尼子氏という設定になっています。
たたら製鉄は、太古からある製鉄法ですが、日本で現存しているのもここ出雲地方という事ですね。 今だにに本当はここの鉄からでしか作られたいないということ。 一旦は消えた製鉄法ですが、刀剣を作るために復活したという事らしいですね。 そして雨があり、森林資源が豊富という条件にかなった立地という事もあったそうです。 そして砂鉄が多く取れるという背景も。
私は以前、「映画 日本刀 刀剣の世界」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14328889.html という作品を見ましたが、ここたたら村では、製鉄のみなんですね。 鉄砲はおろか、刀さえも製造しない。 原料供給に特化しているってことなんですね。
物語は、このたたら村に、戻ってきた伍介が、凄惨な戦場を見て、村を何とかして守ろうといきり立ってしまいます。 そこに惣兵衛から彼を引き継ぎ、面倒を見て侍になる手助けをした与平が登場します。 津川雅彦が演じていますが、ちょうどこの時代背景は本能寺の変の前夜なんですね。
ちらっと触れている、本能寺の変の黒幕が誰かということが、ここの玉鋼を狙う輩に繋がってきます。
今作品は、このたたら製鉄のシーンが大きな見どころになっていますし、逆に伍介の無力さが浮き彫りになっています。 特に前半の弱々しさが強くじれったいのですが、途中田畑智子演じるお京のセリフがすべてを物語っていました。
エグザイルのLDH配給作品、主だった役者はメンバーが主ですが、刀と製鉄をある程度しっかり見れる作品ではありました。

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剣術の稽古をしているとき真之介が帰ってくる

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村長の次男の新平

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しかし無力さから村を守るため、外の世界を見に行き

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刀を作り武士になろうとするが

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