anttiorbの映画、映像の世界

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虹色ほたる ~永遠の夏休み~

2012年作品、宇田鋼之介監督、声の出演:武井証 木村彩由実 新田海統 櫻井孝宏

1年程前に交通事故で父親を亡くした、小学6年生のユウタ(武井証)は、夏休みにカブトムシやクワガタを採取しようと、蛍が丘ダム近くの森に来ていた。
ユウタは、森でカブトムシやクワガタを探している途中、木のそばで笠を被った不思議な老人、蛍ジイ(石田太郎)に出会い、“水を分けてくれ!” と頼まれた。 そこで、持っていた清涼飲料水を蛍じいに分けた。 すると、しばらくしたら大雨が降るぞ! と予言されてしまう。 蛍ジイの予言通り、大雨が降り出し、ユウタは決壊した水に飲み込まれてしまう。
その後、九死に一生を得たユウタが見たものは、大雨が降る前の風景だった。 そこには、ダムで沈んだはずの宮前村が広がっていた。 ユウタは、村でさえ子(木村彩由実)という小学3年生の女の子に出会う。 なぜか、ユウタは彼女のいとことして宮前村で夏休みを過ごすことになるのだった。
さえ子は、おばあちゃんと2人暮らし。 ユウタは、入浴中に蛍ジィに会い、村がダムに沈む前の1977年夏にタイムスリップしたことを知るのだった。 また、同級生のケンゾー(新田海統)とも出会い、仲良くなった。 夜明け前、ユウタは、ケンゾーと約束して虫取りに出かけた。 木の幹にワナを仕掛けておくと面白いくらい、カブトムシやクワガタを捕まえることができた。
“もうすぐ、ここはダムに沈むんだ・・でも、お前、祭りの日までいるよな?” とケンゾーはユウタに尋ねた。
2人が神社にいるところを、青天狗というあだ名の神主(大塚周夫)に見つかってしま う。 “やばい!青天狗だ!逃げろ!” と2人は全速力で逃げ出した。
その後、村の子供たちは、青天狗こと神主によって神社に集められるのだった。 神主の提案で、子供たちは祭りで流す灯篭に思い思いの絵を描くことになった。
ユウタは、バイクが好きだった父の事を想いながら、バイクの絵を描いたが、その絵をケンゾーは気に入った。 “僕も大きくなったら、バイクに乗りたい!” と言うのだった。
神主は、宮前村の歴史について話した。 その昔、村は干ばつに見舞われて、水不足に悩まされたという。 その時、村の若者が虹色に光る蛍が舞うのを見た。
その場所で、水を発見したらしい。 蛍によって、この村は救われたのだ。 だから、宮前村の人々は蛍を神として崇めていると言う ・・・

最近がリアルな絵のアニメーションが多いんですが、今作は独特の作画でした。
監督は宇田鋼之介、多くの作品、特に 「ONE PIECE ワンピース」 作品を多く手がけていますね。
ユウタ役は武井証、「BALLAD 名もなき恋のうた」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/465590.html で真一役をしていました。
さえ子役は木村彩由実、「パーマネント野ばら」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12951743.html に出演していました。

物語は夏休みに起こった不思議な体験です。 父を1年前に亡くしたユウタ、しかし父の言うとおり、クワガタやカブトムシを見つけに来たんですが、なかなか捕まえられない時に、変な爺さんと出会うんですね。 そこで飲み物を上げたことからこの体験が始まります。
もしかしたら、ユウタはここで命を落としたのかもしれません。 しかし直前に施した善行が、彼の運命を繋いだ感じがします。 彼の行った時間は、ダムが沈む前の、そこにあった村でした。 もちろん携帯もなく、彼には少々不便な時代ですが、逆にこの時代のおおらかさ、そして純粋な村の少年たちとの交流が心地よくなっていきます。
しかし実はさえ子も・・・
この作品、素朴な絵がなんともいいんですよね。 そしてあの時代、私もまだ森や林で昆虫を取りにいきました。 懐かしさ、ノスタルジーに触れられるとともに、ちょっと切ないお話でした。

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さえ子と出会ったユウタ

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彼女の従兄弟になってタイムスリップ

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長閑な時代に行ったユウタ

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ケンゾーと仲良くなる

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そして祭りの日

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ここを離れる日、それは元の時代にもどる日だった

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