anttiorbの映画、映像の世界

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夏の庭 The Friends

1994年作品、相米慎二監督、三國連太郎、坂田直樹、王泰貴、牧野憲一出演。

小学6年生の木山(坂田直樹)は6月のある日、山下(牧野憲一)という太ったクラスメイトが祖母の葬式に出席したという話を聞いてから、サッカー仲間の河辺(王泰貴)、山下と人の死について興味を抱くようになる。
そんな3人は、近所に住む変わり者の老人・傳法(でんぽう)喜八(三國廉太郎)に目をつけ、彼がどんな死に方をするか見張ることにした。 初めはこっそり見張っていた3人だった。 どこに出かけるのも、なるべく後をつけて行くのだが、ある日喜八を見失ってしまう。
老人なんで病院ではないか?と思い、木山は病院で喜八の姿を探すと、喜八がいた。 あとを追っていくと、人気のない病錬に入って行ってしまう。 そこにはほとんど人がいないので怖くなってしまう木山だが、地下の一番奥に人の声がする。 そこには白衣を着た喜八と、もう一人スーツの男(柄本明)がいた。
死体に向かって何か二人が話しているのを見た木山は怖くなってそこから逃げ出すのだった。
夏休みになり、荒れ放題のあばら家にひとり住む様子を観察する3人に気づいた喜八は最初は怒り出すが、やがてごく自然に4人の交流が始まる。 初めはなにげなく伸び放題の雑草を嘆いていた喜八だが、言葉巧みに少年たちをけしかけ、気が付くと老人の指示通り子供たちは庭の草むしりや、家のペンキ塗りを行うようになっていく。
そしてそれは学校でも話題となり、担任の女教師・近藤静香(戸田菜穂)もこの家に顔を出し3人をほめ、喜八に挨拶をするのだった。 しかしその時、喜八の表情がなぜか驚いたような顔になるのに3人は気が付かなかった。
庭にはコスモスの種を巻き、家は見違えるようにきれいになっていった。 子供たちは喜八から、古香弥生(淡島千景)という名の女性と結婚していたが別れたという話や、戦争中、兵隊をしていた時にジャングルの小さな村でやむを得ず身重の女の人を殺してしまった話などを聞く。
そこで、3人は喜八の別れた妻を探 し出すことにし、やがてそれらしき人を探し当て老人ホームに訪ねるが、部屋にはなんと担任の静香先生がいた。 そして驚くことに、先生は何と弥生の孫だったのだった…

三國廉太郎演じる老人・喜八と、3人の少年の交流を描いた作品、今は亡き相米慎監督作品ですね。
相米監督作品は 「セーラー服と機関銃」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13956444.html 「東京上空いらっしゃいませ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14810389.html というファンタジーを記事にしていますが、「お引越し」 「台風クラブ」 も秀作ですね。
3人の少年はこの後の出演作は無いようですね。 役者にはならなかったんでしょうか? そして「東京上空~」 にも出演した笑福亭鶴瓶も最後に出演してます。
監督作品は、あまり飾らない演出が基本ですし、少年3人も当時の子役としてはそこそこですが、自然な感じの演技をさせていますね。
三國さんは当時70歳くらいだと思いますが、異様に歳を取った老人を演じています。今の70歳がいかに元気かと言う事なのかもしれませんが、実年齢に近い設定のはずですが。 悪役もピタッとはまる名優さんでしたね。
物語は、やっと突き止めた弥生さんなんですが、彼女は大分痴呆が進んでいるんですね。 そして今度は喜八も否定するんですね。 でもそんな二人のことを思う人間がもう一人、近藤静香なんですね。
彼女は直談判に来ますが、その時は頑として突っぱねる喜八、しかしその後思い直すんでが。
別れのシーンはさすがに悲しいですね。 
少年たちのある夏休みの物語ですが、孤独な老人・喜八は最後少年たちに会えて幸せだったのかもしれません。

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人が死ぬところを見てみたい

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3人は一人暮らしの老人・喜八に注目する

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そしていつしか仲良くなっていく

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そして喜八の話である人の事を聞かされる

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静香が訪ねてくる

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想い出の井戸

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