anttiorbの映画、映像の世界

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未来を花束にして

2015年作品、サラ・ガヴロン監督、キャリー・マリガン主演。

1912年、ロンドン。 夫サニー(ベン・ウィショー)と幼い息子ジョージ(アダム・マイケル・ドッド)の3人で暮らすモード・ワッツ(キャリー・マリガン)は、夫ともども洗濯工場で働いていた。 劣悪な環境下で長時間働くものの、給料は低かった。
ある日工場長のノーマン・テイラー(ジェフ・ベル)から洗濯物を届けるよう言われる。バスを乗り継ぎその途中、洋品店のショーウィンドウをのぞいていたところ、突如ガラスに石が投げ込まれる。 女性参政権を求め活動する女性社会政治同盟(WSPU)の過激行動に出くわしたのだった。
彼女はいきなりのことに驚き、届けるべき洗濯物を汚してしまい家に持ち帰る。 夫のサニーが事情を聞き、洗い直して届けると言ってくれる。
彼女が遭遇したのはサフラジェットと呼ばれる女性参政権を求める活動家であり、工場の同僚にも、ヴァイオレット・ミラーアンヌ=マリー・ダフ)がこの活動家だった。彼女は集会に行ったりして、たまに遅刻をしてしまう。 しかし工場長からの摂関もモードが機転を利かせてかわさせてあげるのだった。
息子のジョージは体があまり強くなかった。 そのため薬局のイーディス・エリン(ヘレナ・ボナム=カーター)のところに通っていて、軽く診断もしてもらっていたが、彼女は筋金入りのサフラジェットだった。 夫も協力的で、ここは彼女たちの連絡場でもあった。
時同じくして女性参政権運動への取り締まりが厳しくなり、アイルランドでテロ対策にあたっていたスティード警部(ブレンダン・グリーソン)が新たに赴任すると、彼はカメラによる市民監視システムを導入。
集会に誘われて、断りきれず行ったところを撮影され、モードは無関係ながらターゲットの一人として見られてしまう。 そんな中、下院の公聴会で証言するはずだった同僚のバイオレット(アンヌ=マリー・ダフ)が夫に殴られ怪我をし、代わりにモードが向かう。 工場での待遇や身の上を語るうちに、自分が違う生き方を望んでいることに気付いていった。
モードも連帯を示す花を帽子に着け、反発を受けながら、社会を変える闘いに参加していくのだった…

監督はサラ・ガヴロン、2007年に初作品 「Brick Lane」 を発表してから3本目ですね。 主演はキャリー・マリガン、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12376215.html が近年の出演作ですが、「ドライヴ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7851289.html の印象が強いです。
物語は、まだ女性の地位が低く、重労働で、環境も悪い中で働かなくてはならなかった時代のお話です。 当時は女性に参政権も無く、議会はすべて男、必死に参政権を訴える女性は議員の妻という事なんですが、そんな中 “サフラジェット” と言われる存在があったんですね。
時には過激な行動さえも取る、今だとテロリストと背中合わせの存在かもしれません。 一応は怪我人を出してはいけないという守り事はありますが、時と場合によっては死人さえ出てもおかしくない行動に後半は進んでいきます。
そしてその行動をする精神的な支柱としてエメリン・パンクハーストという活動家がいたんですね。 メリル・ストリープが演じていて、あまり出番はありませんが、彼女は警察もマークしており、しかしカリスマ性を持った存在で、女性参政権を指示していた弁護士の夫亡き後もずっと活動をしていたそうです。
そして直接活動の陣頭指揮を執っていたのがイーディスでしたね。 ヘレナ・ボナム=カーターが演じていますが、夫のヒューもバックアップ、行動はどんどん過激さを増していきます。
始めは傍観者だったモードですが、いつの間にか行動の中心に。 しかし彼女の心に火が付いた原因は、工場で彼女が受けた陰湿なパワハラ、セクハラだったんですね。 女性の立場を日の当たるものに変えねば、第2、第3の自分が生まれてしまう。家庭と活動のどちらが重いのか? 息子とのシーンはちょっと切なく哀しいのですが、こういう女性の活動があっての歴史なのかもしれません。(川)

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夫とともに洗濯工場で働くモード

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ジョージと3人暮らし

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しかし彼女はバイオレットに誘われ集会に

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そして証言をして彼女は変わっていく

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彼女たちの支柱・エメリン・パンクハースト

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