光子は武志が面会に来てくれたことをすごく喜んでいた。 そして担当弁護士の橘美紗子（濱田マリ）からは、光子は精神鑑定をすることになると言われる。
閑静な住宅街で起こった一家惨殺事件。 被害者の田向浩樹（小出恵介）は、大手デベロッパーに勤めるエリートサラリーマン。 一方、妻の友季恵（松本若菜）は、物腰が柔らかい上品な美人として近所から慕われていた。 娘とよく買い物に出かけるなど、誰もが羨む仲睦まじい “理想の家族” として知られていた田向夫妻。
ところが事件発生時、浩樹は1階で、友季恵と娘は2階の寝室で刺殺された姿で発見され、世間を騒然とさせた。
未解決のまま1年が経過し、風化していく事件。 週刊誌記者の田中は、改めて事件の真相を探ろうと、関係者の証言を追い始める。 同僚からは、1年前の事件を取り上げても、話題にはならず売り上げは上がらないと皮肉を言われるが、しかし編集長は彼の今の境遇を鑑み、良ければ載せてやるからしっかり取材をしろと言われるのだった。
そして彼は、まず弘樹の会社の同期の眞島秀和（渡辺正人）に話を聞きに行った。そこで聞かされた話は、新入社員の歓迎会で知り合った女性との付き合いだった。弘樹はその女と別れるために眞島に一芝居打ってもらい、二人のなにか人を利用するえげつない行動を聞かされる武志だった。
次に行ったのは、友季恵の大学時代の同級生の宮村淳子（臼田あさ美）のところだった。 その大学では、付属から上がってきた学生と、受験をして入ってきた大学の間の、格差について聞かされ、友季恵は上手くその “内部生” と言われる付属上がりに取り入った存在だったのだった。
そこから浮かび上がってきたのは、田向夫妻の外見からは想像もできない噂の数々だった…
原作者は貫井徳郎、映画化になったのは今作が初めてですね。 監督は石川慶、初監督作品になるようです。 主演の妻夫木君は、「ミュージアム」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14554543.html での怪演は凄かった。
またもう一人の満島ひかりは、「駆込み女と駆出し男」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13056877.html 以来ですね、映画として見るのは。 役柄なのか、本当に細い感じでした。 確かに今回の役では病的な感じを醸し出すので、ダイエットして臨んだんでしょうかね？
1年前に起こった殺人事件の再取材をするという展開と、この田中兄妹を追う展開のお話になっています。 しかし幼児虐待をどうして光子はしてしまったのか？
漠然とこの田中という家に大きな問題があると想像はできますが、それといきなり田中武志が1年前の事件の再取材をしたいと言ってきたことがどうリンクをして行くかが、だんだんわかってくると、このお話はどんどん不気味な展開になってくるんですね。
殺された田向一家、殺されてもおかしくな い半面、殺すところまで一気に行くかどうか悩ましいところですね。 しかしそこはしっかり辻褄は合ってしまうんですね。
冒頭、生気を失ったように面会に行く武志の姿が、実はすべてを物語っているところに気が付くのは、終盤でした。
辛く哀しい悲劇の物語ですね。
弁護士の橘から妹の世親鑑定を言われる田中武志
