バンドブームの中、1stシングル 『悪魔とドライブ』 をヒットさせたロックバンド “SPEED WAY”。 そのリーダーでギター担当の中島(峯田和伸)は、”売れる歌“ を求める事務所と “ほんとうに歌いたい歌“ を求める自分との狭間で、新曲が書けず苦悩していた。
ある夜、彼の部屋に崇拝するロックの神様・ディランに似た男が現れる。 以来、中島にしか見えないこの神様を前に、ロックと一番遠い存在になっていくような自分を嫌悪し始めた中島は、メンバーともうまくいなかくなり、大学時代から交際している彼女(麻生久美子)に救いを求める。
大学の文化祭で知り合い、オリジナル曲をやるべきだと勧めてくれた彼女。 ディランを教えてくれたのも彼女だった。
そんな彼女に励まされ、中島は新曲 『大人の悩みと子供の涙』 を完成させる。 だが、事務所の社長(岸部四郎)から衝撃的な言葉を聞くことになる。 もうその頃にはバンドブームも下火となり、彼らのアルバムも無期の発売延期となるということだった。
一応社長はそんな彼らに対して、何とかモチベーションを保たせようと、ある雑誌の取材を受けさせる。 訪ねてきた編集者(大杉漣)の高飛車な態度に我慢が出来なかった中島はとうとう編集者に対し毒づき、それをきっかけにメンバーと口論となり更に、ヴォーカルのジョニー(中村獅童)が脱退してしまう。
さらにジョニーはファンの女に刺され入院を余儀なくされてしまう。 折しも、ロックフェスへの出演が決まっていただけにダメージは大きい。
しかし、中島はジョニーの代役としてステージに立ち、会場に駆けつけてくれた彼女の前で大成功を収めるのだったが…
監督は俳優でも様々な作品に出ている田口トモロヲ、監督作品としては 「ピース オブ ケイク」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13439291.html を見ていますが、この作品が監督デビュー作ですね。 監督はミュージシャンをしていた時代もあったそうで、その時の経験も生かされているとも言われています。
主演の峯田和伸は、銀杏BOYZのメンバーとして活動中、しかし4人編成のほかの3人は脱退してしまい、今は彼一人となっているようですね。 彼も監督の 「ピース オブ ケイク」 に出演、数作彼の出演作を見ています。
この作品の原作は1992年。 昔あったバンドブームの時のお話ですね。 数回あったバンドブーム、これは第2次ブームだった1980年代後半から90年にかけてのような設定でしょう。 当時多くのバンドが登場し、そんな若いバンドの登竜門的な番組も制作されましたね。
私の前職の時にこのブームの真っただ中で、イカ天を特集し、インディーズのCDをコーナーを作り、特別に店頭においたこともありました。 そんな意味で懐かしい匂いがしましたね。
私がこの作品をチョイスしたのは麻生久美子が出ていたからなんですが、なんと中島の彼女役で出演、ちょっとミステリアスな存在でしたが、しっかり中島の支えになっていました。
私の世代にはちょっと懐かしさを感じる作品でした。
SPEED WAY
中島が出会った天使のような彼女
しかし曲作りで悩む中島
そこに現れたディラン
彼女に助けを求める