anttiorbの映画、映像の世界

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ラスト・タンゴ

2015年作品、ヘルマン・クラル監督、マリア・ニエベス、フアン・カルロス・コペス出演。

アルゼンチン・タンゴに革命をもたらし、タンゴの魅力を世界に広めた伝説のペア、マリア・ニエベスとフアン・カルロス・コペス。
マリア14歳、フアンが17歳の時に出会った二人は、世界に名声を轟かせる一方で、愛と憎しみを重ねてきた。 愛憎を芸術的なタンゴ・ダンスに昇華できたのは、タンゴへの情熱と互いへの尊敬の念があればこそだ。 しかし、1997年、ついにコンビを解消する。
他のダンサーでは理想の踊りができないと骨の髄まで知る彼らに、いったい何が起きたのか。 以来、対面すら避けていたふたりだったが、後継者となる若きタンゴダンサーに波乱の人生とタンゴへの愛を語り始めた。 残された時間はあとわずか・・・。

“タンゴ”という音楽ジャンルは、昔音楽ソフトの販売の仕事をしていた時、けっこうその中のジャンル分けが難しかったのを覚えています。 “アルゼンチン・タンゴ” と“コンチネンタル・タンゴ” の違いとは? それ以外にどういうタンゴがあるのか? 代表的なダンサーは? 代表的な演奏者は?
当時は映像ではなく音楽という感じだったので、ダンサーなんて全く知りませんでした。 逆に今は動画、映像ではっきりと楽しめる時代、もし今でもその仕事をしていたら、有名なタンゴ・ダンスの代表者くらいは知っていないといけなかったでしょうね。
私が見に行った劇場には、中年以上の女性が多かった。 どうも会話を聞いていると、単語を実際踊っている方たちのようですね。 そんな意味で、勉強を兼ねて鑑賞しに来ているのか? もしかしたら上映期間、何回か来ているのかも。
この作品の主役は二人、(映画作品中)御年80歳のマリア・ニエベスと、83歳のファン・カルロス・コペス。
マリアについては、彼女の学校が日本にもあるようですね。 作品中にも彼女の語りのシーンでありましたが、人生すべてをタンゴに捧げてきた女性なんですね。
生涯独身を通し、今は後継者、生徒たちに教える立場のようですね。 タンゴと出会ったのはまだ8歳くらいだという事ですが、コペスと出会って本格的にタンゴに突っ込んで行ったと言っています。
一方のコペスも青年時代から街のクラブステージをめぐっていたそうです。 1948年にクラブ・アトランタによく出入りしていた時に、マリアと出会い、そこから長くペアを組んできました。 もちろん二人はただのペアでなく、愛し合い、憎しみ合い、それが何と半世紀も続いたという事です。
もちろん結婚をするタイミングもあったかもしれませんが、残念ながらそうはならなかった。 コペスは別の伴侶と結婚し、子供も作りました。
しかしとうとう二人がコンビ解消する最後の公演が、日本公演だったという事です。そこでプレゼンテーションをするマリアの笑みの裏には、これで最後という確固たる思いがあったのかもしれません。
この映画のために、二人の一緒のシーンが冒頭と最後に数ショットあるんですが、これはもしかしたら貴重な映像なのかもしれませんね。

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人生=単語を語るマリア

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一方、ファン・コペス

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若いころの二人

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当時の雰囲気

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貴重な今の二人の再会

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